病院で研修生として働く研修医とは?研修医制度の内容について解説
大学の医学部に入学し、研修医を経た上で一人前の「専門医」までとなるまでの道のりはとても長く、年数にすると11年以上かかります。
4年間は医学部で座学を中心に勉強し、卒業するまでの2年間は診療参加型臨床実習で経験を積み、医師国家試験に合格してから研修医として5年間過ごすことになります。
それにより専門医受験資格を取得し、合格すれば専門医として病院に勤務できます。
そこで、この長期に渡る医師までの道のりにおいて、必ず必要になる研修医制度の内容について解説していきます。
研修医と医者の違い
「研修医」とは、初期臨床研修中の医師のことです。
医師法でも臨床研修を受けている医師について、臨床研修に専念し資質向上を図るように努めなければならないことが規定されています。
研修医制度の目的
厚生労働省は、研修医制度の目的として次の3つを挙げています。
・医師としての人格をかん養すること
・将来専門とする分野にかかわらず、医学や医療の果たすべき社会的役割を認識すること
・一般的な診療で頻繁に関わる負傷または疾病に適切に対応できるように、基本的な診療能力を身につけること
研修医制度の内容
研修医制度は、次の2つの研修に分かれます。
・初期研修(2年)
・後期研修(3年)
初期研修では様々な診療科で、後期研修医や指導医と相談しながら病棟や救急外来での業務を担当します。
後期研修では専門診療科に所属することになり、上級医と相談しながら主治医としても病棟や救急外来で業務を行います。
それぞれの研修について詳しく説明していきます。
初期研修
初期研修では、医師としての基礎を身につけることを目的としており、診療科に関係なく基本的な診療能力を獲得するために行われます。
研修期間は2年で、その間に基幹型臨床研修病院・協力型臨床研修病院・臨床研修協力施設(診療所・保健所)を巡回することになります。
後期研修
初期研修後は後期研修が行われますが、専門領域についてより深く学ぶことを目的とします。
高度な知識と技術を習得するための研修であり、初期研修と違って主治医として診療業務を担当する場合もあるなど、責任もより大きいことが特徴です。
なお、初期研修医は「研修医」、後期研修医は「専攻医」や「専修医」という扱いになります。
さらに後期研修では、本業に支障が出ない範囲であれば外勤と呼ばれる副業もできるようになり、他の病院の外来や当直業務なども担当できます。