透析に使用する血液透析装置とは?血液をろ過する仕組みについて紹介
「透析」とは、腎臓が正常に機能しなくなったことで体内に溜まった老廃物・毒素・余分な水分などをろ過するために行う治療です。
血液透析と腹膜透析の2つの種類があり、血液透析ではダイアライザーという人工腎臓の機械で血液をろ過するのに対し、腹膜透析では自らの腹膜を使ってろ過します。
透析器を介し、きれいな状態の血液へ戻すのが血液透析で、おなかにカテーテルを挿入して透析液を出し入れし血液の老廃物などを除去するのが腹膜透析という違いがあります。
腎臓が正しく機能しない方のほとんどが血液透析を選んでいますが、透析療法の代表ともいえる治療です。
そこで、透析に使用する血液透析装置について、血液をろ過する仕組みを解説していきます。
血液透析装置とは
「血液透析装置」とは、「工腎臓と呼ばれることもある装置で、腎臓が正しく機能しなくなった場合に血液に含まれる余分な水分や毒素を取り除くための医療機器です。
透析する際には1分間で約200mlといった多くの血液を取り出さなければならないため、十分な血流を得るためにシャントという血管を腕に作成することになります。
シャントとは、透析で連続してたくさんの血液を取り出すことが必要となることから、手首などの動脈と静脈を結び付けて血流量の多い太い静脈を作る手術を行うことです。
動脈と静脈を吻合させて通常より多くの血流となる血管を手術により作成し、作成した内シャントに針を刺してから機械で血液を体外に出します。
体外に出した血液は、ダイアライザーと呼ばれる人工腎臓を介して溜まった老廃物や余分な水分を除去し、電解質バランスが補正された後に体内に戻されます。
血液透析の仕組み
血液透析は、腎臓の働きの衰えや正常に機能しなくなったときに、腎臓の代わる役目を担います。
そのため一般的に一回で3時間程度、1週間に2~3回治療として行われます。
シャントは一般的に利き腕でないほうの手首に作ることになりますが、糖尿病や動脈硬化などの疾患を抱えているときや、採血や点滴を繰り返していて血管状態が良好でないときには肘近くで作ることもあります。
また、人工血管内シャント法・動脈表在化手術法・長期留置カテーテル法など別の方法が用いられることもあるようです。
透析において、シャントは非常に大切なものであり、長持ちさせるかが重要であるため、詰まったり感染や出血などのトラブルが生じたりしないように注意することが必要になります。