胆管ステントとは?使用目的やメリット・デメリットを解説
胆管ステントは、閉塞した胆管を開通させることを目的とした網目状の金属製筒や樹脂製チューブです。
留置することによって、胆汁が正常に流れる経路が確保でき、胆管内からの胆汁を体外へ排出するチューブを外すことができます。
そこで、胆管ステントについて、使用目的やメリット・デメリットも解説していきます。
胆管が詰まる原因
胆管が詰まってしまう原因はいろいろありますが、たとえば次のことが関係しているといえます。
・胆管内の結石により胆管が狭くなる
・良性病変により胆管が狭くなる
・胆管の手術で縫い合わせた部分が狭くなる
・悪性腫瘍で胆管が狭くなる
いずれも胆管が狭くなることで、詰まってしまうといえるでしょう。
胆管ステントの目的
胆管ステントの目的は、閉塞した胆管を開通させることです。
網目状の構造である金属製の筒や樹脂製チューブであるステントを留置し、正常に胆汁が流れるように経路を確保することで、胆管内から胆汁を体外へと出すためのチューブを外すことが可能となります。
胆管ステントの寿命
胆管ステントは、プラスチックステントの場合は2~3か月、金属ステントでも6か月で寿命を迎えると考えておくべきです。
状態によりさらに短くなることもあれば、長くなることもあるといえるものの、寿命前に交換することが必要となります。
プラスチックステントの場合、径が細いため閉塞しやすいことがデメリットですが、抜去や交換は容易にできます。
閉塞しにくいものを使う場合には、径の太いメタリックステントのほうがよいでしょう。
胆管ステントのメリット・デメリット
胆管にがんができてしまうと、がんの大きさに関係なく塞がってしまいます。
そこで胆汁を排出するための胆道ドレナージが治療法として用いられますが、外瘻術と内瘻術があり、胆管ステントは内瘻術に該当します。
内瘻術のメリットは、患者のQOLを低下させないことです。
体から管が出ないためこれまでどおりの生活を送ることが可能となり、体外に胆汁を捨てないため脱水や低ナトリウム血症などの心配もありません。
ただし注意しておきたいのは、ステントが詰まってしまった場合には簡単にチューブの取り替えができないため、重い合併症につながる可能性もあるということです。
詰まったステントの場所から細菌が感染し、胆管炎を発症すれば高熱で生命にかかわる状態になる場合もあるため、その点は留意が必要といえます。