体外式結石破砕装置とは?メリット・デメリットや尿路結石の症状について解説
体外衝撃波結石破砕治療とは、尿路結石を外科手術せずに衝撃波により結石を粉々に砕き、体外へと流しだす治療法です。
衝撃波により砂状に破砕された結石は、尿と一緒に自然に体外へと排出される仕組みになっています。
そこで、体外式結石破砕装置のメリット・デメリットや尿路結石の症状について解説していきます。
体外衝撃波結石破砕装置とは
体外衝撃波結石破砕装置とは、衝撃波を体内の結石へ照準を合わせて送り、結石を破砕する装置です。
結石が破砕された後は尿流により体外へ自然に排出されます。
衝撃波は固いものにあたったときに威力を発揮するため、臓器に影響はなく比較的安全に処置できます。
開腹せずに体外から衝撃波を照射し、結石を細かく粉砕して自然排出を促す治療法なので、心身への負担や合併症リスクなどを抑えた尿路結石の治療ができるといえるでしょう。
尿路結石(尿管結石)とは
尿路結石(尿管結石)とは、腎臓・膀胱・尿管・尿道に結晶化した結石が沈着することで、食生活の欧米化に伴って増えている疾患です。
この結石は、尿成分から析出される結晶が腎臓内部の表面に集まって作られます。
小さければ尿路を通り、自然に尿として体外排出されることもありますが、大きいと尿管を通らないため激痛が続きます。
下腹部や横腹部に結石が存在しているときには急激な鋭い痛みを感じることが多いといえるでしょう。
結石が膀胱に近づくにつれ、尿意を頻繁に感じるようになったり排尿痛があったりなど不調をきたします。
腎臓結石は症状がない場合も多いですが、血尿などが見られたことで発覚することがあります。
無症状の結石を放置したままにしていると、水腎症などで腎機能が低下したり細菌感染になったり、排尿困難など合併症を起こす可能性があります。
なお、腎臓から尿道まで尿が通る間に石ができてしまう尿路結石症は、石が存在する部位によって次に分類されます。
・腎臓結石
・尿管結石
・膀胱結石
・尿道結石
体外衝撃波結石破砕術のメリット・デメリット
体外衝撃波結石破砕術は開腹の必要がなく、結石に向けて衝撃波を照射するため、筋肉や臓器を傷つけることありません。
麻酔も不要で術後の痛みなどはほぼなく、身体に傷跡が残らないことが特徴ですが、まとめると以下のメリットがあります。
・お腹を切らないため低侵襲
・1時間程度など短時間で治療できる
・外来や2~7日の入院で対応できる
・腎・尿管の全ての結石に対応可能
・複数回の手術も可能
反対に体外衝撃波結石破砕術のデメリットには、以下のことが挙げられます。
・20mm以上の大きな結石の場合には完全破砕できない場合がある
・砕石後に排石されないこともある
・複数回の治療が必要になることがある
・腎被膜下血腫・皮下血腫・血尿など合併症が起こる場合がある