中心静脈用カテーテルとは?必要なケースやメリット・デメリットを解説

治療用機器

点滴や静脈注射をするときには、先端を心臓近くの中心静脈へ位置させる中心静脈カテーテルを使います。

主に濃度の高い栄養液の点滴や、持続的に細胞障害性抗がん薬の点滴などで使用されています。

中心静脈用カテーテルは、点滴するために血管に針を何度も刺す必要がないといったメリットはあるものの、末梢静脈カテーテルよりも厳重な管理が必要になることや、感染症リスクが高くなるといったデメリットもあります。

そこで、中心静脈用カテーテルを必要とするケースや、使用するメリット・デメリットについて解説していきます。

 

中心静脈カテーテルとは

中心静脈カテーテルとは、点滴や静脈注射のために鎖骨・首・太ももの付け根などの血管から挿入するカテーテルで、先端を心臓近くの太い中心静脈に位置させることが特徴です。

通常の点滴と異なり、首や腕などの静脈から心臓へ直接流れ込む太い静脈に挿入ため、通常より濃度の高い栄養液を点滴するときや細胞障害性抗がん薬を持続的に点滴するときなどに用いります。

カテーテルに注射器や輸液のチューブを接続しますが、カテーテルから採血することも可能です。

中心静脈カテーテルが必要になるのは、経口摂取や経腸栄養ができない方や、末梢静脈が確保できない方などといえるでしょう。

 

中心静脈注射と点滴の違い

中心静脈栄養(IVH)と一般的な点滴の違いとして、使用する期間と薬液(輸液)の濃度が挙げられます。

一時的な水分や低濃度の輸液などは末梢静脈から点滴しますが、腸を経由した栄養補給ができないときなどは高濃度の輸液が必要となるため、太い血管による中心静脈栄養が選ばれます。

 

中心静脈カテーテルのメリット

中心静脈カテーテルによるメリットは、主に次の5つです。

・血管外へ逸脱しにくいため確実に投与しやすい

・高カロリー輸液や抗がん剤など血管炎を起こしやすい薬剤も投与できる

・体液量や心機能のモニタリングに用いることが可能である

・複数の内腔があることにより、鎮静剤・カテコラミン・抗生剤や緊急時のショット・急速輸液ごとや、配合変化や同時投与で不具合がある薬剤も同時投与できる

 

中心静脈カテーテルのデメリット

中心静脈カテーテルによるデメリットとして、次の3つが挙げられます。

・長期留置・ルーメン数の増加によりカテーテル関連血流感染の発生率が増加する

・挿入するときに血胸・気胸・動脈穿刺など重大な合併症が起こるリスクがある

・体動が制限されるという負担がある 

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