新生児の疾患とは?先天性疾患の原因や検査・治療の方法を簡単に紹介
新生児が誕生すると、胎児として母体に依存している状態から、自らが呼吸し栄養を取り生きていく環境へ大きく変化します。
しかし、低出生体重・呼吸障害・先天異常などを有する新生児は、医療的なサポートを適切に行うことが必要です。
新生児集中治療室は、医療的サポートを必要とする新生児や赤ちゃんに、高度な技術で治療を行う場所といえます。
そこで、新生児の疾患について、先天性疾患の原因や検査、治療の方法を簡単に紹介していきます。
新生児の先天性疾患とは
新生児の先天性疾患とは、誕生したときに体や臓器の機能に異常が見られる疾患です。
たとえば脳・心臓・消化管などの臓器で異常が起こる恐れがあり、症状や度合いなど新生児によって異なります。
胎児のときに先天性異常が認められたときは、種類・症状・度合いなどに応じた治療や対応の選択が求められます。
日本での先天性疾患(先天奇形・先天異常)の発生率は、3~5%とされているようです。
新生児の疾患の原因
新生児の疾患の原因は、染色体や遺伝子によるものなどさまざまです。
予定日より早く生まれてしまったことやへその緒の絡まりなどによることも考えられます。
中には母親の喫煙やアルコール摂取、特定の薬剤などが原因になるケースもあります。
母親の胎内から誕生後の生活に適応する過程にある、生後28日未満の乳児を新生児といいます。
新生児の疾患の検査方法
新生児の疾患の検査は、小さな身体へ負担がかからないように、最小限に抑えて行われます。
ごく少量の血液による検査や、超音波検査も負担を抑えられる程度で実施されることがほとんどです。
血液で行うマススクリーニング検査は、病気の早期発見や進行を抑えるための検査であり、1977年から導入されています。
新生児の場合、生後5日前後に血液を採取し、20疾患に対するスクリーニングを行うことが特徴です。
医学の進歩でいろいろな疾患に対する治療薬も誕生していますが、治療薬の多くは治療開始を早めることにより有効性を上げることが必要となります。
新生児の疾患の治療
新生児が予定日よりも早く生まれた場合には、適切な呼吸・循環・栄養管理が必要です。
仮死状態での誕生においては脳の保護療法が必要であり、先天異常については外科的治療も必要といえます。
新生児疾患の集中治療は、新生児集中治療室で行われることが一般的です。
産婦人科との連携のもと、母体・胎児・新生児に対する適切な医療提供が求められます。