肝臓がんの治療方法とは?注目されている方法と使用する医療機器を紹介
肝臓がんは、肝臓にできるがんの総称であり、肝臓の主な肝細胞ががん化したものは肝細胞がんと呼ばれます。
沈黙の臓器とも呼ばれている肝臓は、たとえ炎症やがんがあっても初期段階では自覚症状がほぼなく、定期検診や他の疾患の検査や治療で発見されることも少なくありません。
もしも健康診断を受けたとき、肝機能の異常や肝炎ウイルス感染などの指摘があったときは、身近な医療機関を受診しましょう。
そこで、肝臓がんの治療方法について、注目されている方法と使用する医療機器を紹介します。
肝臓がんの治療方法
肝細胞がんの治療方法は、たとえば以下のとおりです。
・手術
・穿刺局所療法(ラジオ波焼灼療法)
・肝動脈(化学)塞栓療法
・薬物療法
・放射線治療
など
他にもがんに伴う心身のつらさなどを和らげる緩和ケアや、支持療法などがあります。
肝機能の保たれている程度や、肝臓以外の臓器への転移の有無、がんの個数や大きさなどに基づいて治療法は検討されます。
本人の希望・生活環境・年齢・状態などを総合的に踏まえて、担当医と話し合いを重ねて治療法を決定します。
ラジオ波焼灼術とは
「ラジオ波焼灼術」とは、肝がんを死滅させる治療であり、AMラジオで使用される周波数に近い450キロヘルツの高周波による治療です。
腫瘍に、直径1.5ミリの電極針を挿入し、ラジオ波電流を流して熱を発生させてがん細胞を凝固していきます。
固まったがん細胞は機能を失い死滅するといった流れです。
1995年頃に欧米で開発された治療法で、1999年頃から日本でも臨床使用されています。
さらに2004年4月には保険適用されたため、肝がんへの標準的治療となりました。
穿刺局所療法とは
「穿刺局所療法」とは、腹部上から超音波やCTでがんの位置を観察し、治療用の針を刺して行う治療です。
超音波で描出できない肝がんは、超音波画像とCTやMRI画像を同期させ、正確に治療を行っていきます。
手術に比べて簡便で、負担を抑えることが可能です。
全身薬物療法とは
「全身薬物療法」とは、肝切除・肝移植・穿刺局所療法・肝動脈化学塞栓療法(TACE)などで対応できない進行性の肝細胞がんの治療法です。
がんの進行を抑え、がんと共存し、これまで通り長く生活を続けるために行います。
ただしパフォーマンスステータスは良好で、さらに肝予備能が保たれている場合の治療法であり、薬剤にはそれぞれ特有の副作用があることを踏まえて方針を決定することが必要です。