診療情報とは?具体的な内容や提供拒否の可否を簡単に紹介
診療情報とは、診療する上で説明が必要となる病状や治療に関する情報です。
口頭で説明するだけでなく、説明書を交付したり診療録を開示したりなど、状況に応じた方法で行われます。
診療の過程で得た情報は、医療の進歩や医師の養成、医学教育などで広く利用されることになりますが、患者の個人情報のため厳重な扱いが必要です。
また、プライバシー保護の観点から、患者本人が指名していない家族や親族、知人や勤務先、保険会社などに提供されることはありません。
そこで、診療情報について、具体的な内容や提供拒否の可否を簡単に紹介します。
診療情報とは
「診療情報」とは、診療過程で医療従事者が得た患者の身体状況・病状・治療に関する情報のことです。
医療の進歩や診療を進めるもとになる内容であり、症状・経過・診断・治療などに関連する文書や数値データなどの総称といえます。
医師の養成や医学教育のためにも、診療情報は広く利用されるといえますが、上記の情報にはカルテ・レントゲン写真・内視鏡写真・血液検査・病理検査などの検査結果などを含みます。
診療情報を提供するときには、口頭による説明と説明文書の交付、診療記録の開示など具体的に状況に即した方法で実施することが必要となります。
具体的な診療情報
医学の進歩により、診療情報の種類や形式も変わってきました。
ただ、一般的な診療情報の内容としては以下のとおりです。
・カルテ(症状・病歴・経過・診断名・検査結果・他の医療機関からの紹介状など)
・検体・試料(身体から採取した血液・尿・組織そのもの)
・臨床検査データ(検体や試料をもとに行った検査の総称で紙媒体・電子媒体などで保存)
・画像(臨床写真・エックス線写真・CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像検査)・内視鏡や超音波検査で撮影された電子媒体やフィルムで保存された画像)
・動画・写真など(診察・検査・処置・手術などの診療過程で撮影された動画・写真)
診療情報の提供拒否の可否
診療情報の開示を求められたものの、拒否した場合にはどうなるのでしょう。
「診療情報の提供等に関する指針」では、患者などが診療記録の開示を求めたときには、原則、応じなければならないと明記されています。
そのため状況によっては拒否できるとされており、根拠とされるのは「個人情報の保護に関する法律」です。
診療した患者や患者情報等についての守秘義務を負うため、患者本人以外の第三者が診療情報を求めても、提供する際には本人の同意が必要となります。