エキスパートパネルとは?がんの原因と構成員や会議を行う理由を紹介
エキスパートパネルとは、がん遺伝子パネル検査の結果を臨床上の意味で医学的解釈するための会議です。
開催されたエキスパートパネルで検討された治療法などは、主治医から患者へと説明がなされます。
そこで、エキスパートパネルはどこで誰が行うのか、がんの原因と構成員や会議を行う理由を紹介します。
がんの原因
がんの原因は、遺伝子の変異です。
一部の細胞が異常な増殖をはじめ、他の臓器や周辺組織に入り込みますが、遺伝子の変異により起こります。
変異することでがんに結びつくとされる遺伝子は数100個発見されており、どの遺伝子に発生した変異によりがんになるかは、患者によって異なります。
ただ、いずれのケースでも、遺伝子の変異でがんになることに変わりはありません。
エキスパートパネルとは
「エキスパートパネル」とは、いろいろな専門家が集まって適切な薬剤を選ぶことを推奨するための会議です。
開催される場所は、以下の3つです。
・がんゲノム医療中核拠点病院
・がんゲノム医療拠点病院
・指定された一部のがんゲノム医療連携病院
上記の場所に専門家が集まり、がん遺伝子パネル検査の解析結果を検討する委員会を開きます。
がん遺伝子パネル検査では一度に多くの遺伝子を調査し、結果は様々な研究結果をもとにして、特定の薬剤の効果などを協議し、検出した遺伝子異常に効果が期待される薬剤かを検討します。
このがん遺伝子パネル検査の結果を医学的に解釈するため、多職種で検討する会議が「エキスパートパネル」です。
エキスパートパネルの構成員
エキスパートパネルの構成員は、がんに精通する様々な専門家であり、たとえば以下の方たちが挙げられます。
・色々な臓器のがん薬物療法を専門とする常勤医師(複数名)
・遺伝医学を専門とする医師
・遺伝カウンセリング技術を有する医療従事者
・病理専門の常勤医師(複数名)
・分子遺伝学やがんゲノム医療の専門家
上記の専門家の参加が必須とされており、たとえば効果の期待できる薬剤があれば、臨床試験などを含めた薬剤使用について検討を行います。
仮に効果の期待できる薬剤がなければ他の治療を検討することになるでしょう。
エキスパートパネルの結果から、担当医にエキスパートパネル作成のレポートを返却し、担当医から患者へその結果の説明のもと、治療方針の提案が行われるという流れです。