医療機器の開発とは?業務内容や必要な知識・資格を簡単に紹介

治療用機器

医療機器の開発では、いろいろなフェーズをクリアすることが必要であり、実際に医療現場で通用する機器の研究開発が求められます。

メスや注射器などの小物や、心臓ペースメーカー、MRIにレントゲン装置などはすべて医療機器に含まれますが、人の命に関わる機器です。

そのため開発には厳格な規制や期間が伴い、従うことが必要とされています。

そこで、医療機器の開発について、業務内容や必要な知識、資格を簡単に紹介します。

 

医療機器の開発業務

医療機器の開発業務として、以下が挙げられます。

・概念設計…社内の企画担当者や医療従事者から要望などヒアリングし、製品のコンセプトを策定する

・基本設計…概念設計に沿って設計図を描き、解析ツールを使って強度などを確認する

・詳細設計…プロトタイプ作製のもと、動作確認と安全性、使い勝手などを複数回検証し、設計図面を作成する

・生産設計…部品の共通化・削減・組立工数短縮などを追求し、性能とコストの両立で量産可能な設計へ仕上げる

医療機器開発では、工業化学や材料化学の知識以外に、医学や人間工学的などの知見と人体への理解も求められます。

医薬品医療機器等法などの厳しい法規制も関係するため、法律の専門部署や専門家との連携のもと、特許申請や医療機器販売承認に向けた承認申請を行うことが必要です。

 

医療機器開発者に必要な資格

医療機器開発者に必要な資格として、臨床工学技士が挙げられます。

開発職に就くときには多くの場合で臨床工学技士が必要とされるのは、医療機器のスペシャリストとも呼ばれる資格だからです。

臨床工学技士は、病院内の医療機器の操作・管理・保守・点検などを担当します。

また、研究や開発などの業務においても、医学や薬学の専門知識は必要です。

外資系医療機器メーカーなどの場合、医学部や薬学部を卒業していることが応募条件になるケースも見られます。

 

臨床工学技士とは

「臨床工学技士」とは、病院やクリニックで医療機器の操作・管理・保守・点検を担当する技術者です。

医療機器の専門医療職であり、医師・看護師・各種医療技術者とのチーム医療では、生命維持装置の操作などを担当します。

血液浄化装置・人工心肺装置・人工呼吸器などの生命維持管理装置を、安全・的確に操作・管理する仕事であり、チーム内では最も医療機器に長けた職種として扱われます。

医療機器も最新技術を取り入れるなど、進化を続けています。

高齢化が進み、様々な医療機器が開発されているため、臨床工学技士は現代医療において欠かせない存在ともいえるでしょう。

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