屋外医療機関とは?災害時に緊急対応で設置される医療体制を解説

治療用機器

屋外医療機関とは、ライフラインの整備されていない環境下で医療行為ができる医療機関のことです。

別名、野外病院(フィールドホスピタル)とも呼ばれています。

日常ではあまりなじみのない医療機関であるものの、たとえば災害が起こったときなどには、緊急的に設置されることが多いといえます。

そこで、屋外医療機関について、災害時に緊急対応で設置される医療体制を解説します。

 

屋外医療機関を設置するタイミング

屋外医療機関を設置するタイミングは、たとえば災害が発生したときです。

災害の際に、仮設設営されるため、野外病院(フィールドホスピタル)とも呼ばれています。

大規模災害が起こった場合、病院や診療所などが機能不全に陥り、負傷者の治療ができません。

このとき、災害が発生した直後に被災地へ駆けつけ、負傷者らの治療にあたるのが屋外医療機関です。

また、海外で発生する大規模災害や緊急事態に備えて、日本赤十字社保有の緊急対応ユニット(ERU)に、野外病院(病院ERU)も整備されています。

 

災害医療とは

「災害医療」とは、災害で医療の需要が供給を上回った状況において、傷病者に行う医療です。

たとえば地震・台風・豪雨などの自然災害や、規模の大きな事故、テロなどで医療従事者や医療物資が不足したときにも、傷病者に対応しなければなりません。

そこで登場するのが災害医療ですが、災害死をなくすことが目的です。

時間をかけずに救命できる可能性のある重傷者か判断し、適切な医療を提供することが求められます。

そのため災害医療では、以下への注意が必要です。

・限られた時間や医療資源を使った医療提供が必要になる

・避難所生活での医療行為であるため通常時の医療と異なる

・災害でのケガをしていなくても、基礎疾患や発症リスクの高い血栓症など、対応によって悪化する病気に注意が必要である

 

災害医療の拠点

災害医療を担う拠点は、災害拠点病院です。

医療チーム「DMAT」がその例であり、医師・看護師・業務調整員で構成されます。

大規模災害や多傷病者が多い事故などの現場で、48時間以内の急性期から活動できる機動性の高い医療チームとされています。

 

屋外医療機関の種類

屋外医療機関の種類は以下のとおりです。

・自衛隊の野外病院

・医療コンテナ

 

それぞれ説明します。

 

自衛隊の野外病院

自衛隊の野外病院は、ライフラインの整備がされていない環境で、医療行為も可能とする医療機関です。

自衛隊は、野外病院として、以下の医療行為や支援を行います。

・負傷した隊員の救命率向上を目的とした外科手術や応急治療

・災害で負傷した被災住民の治療

・医療行為を行いながらの長距離輸送

・救護班の派遣

・基地ごとの医療搬送拠点の運営支援・人員輸送

 

医療コンテナ

「医療コンテナ」は、医療資機材を搭載したコンテナです。

コンテナに医療資機材を搭載できるため、医療モジュールの一種として位置付けられています。

現場での組立や設置が可能な設置型と、車輪と一体化されたトレーラーシャーシタイプの移動型があります。

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