麻酔器の構造・構成、役割・目的などについて
【はじめに】
手術をするときに欠かせない麻酔器。麻酔には大きく全身麻酔と局所麻酔に分けられ、その目的と用途によって使われる薬品なども異なってきます。
今回、麻酔器の仕組みや麻酔の役割などについてまとめてみました。
【麻酔器の構造・構成】
麻酔器の構造は大きく「ガス供給部」と「呼吸回路部」に分けることができます。
「ガス供給部」では麻酔に使われるガスを生成するのが主な目的となっていて、酸素、窒素、空気など流量計を見ながら調節していく方法をとります。
一方「呼吸回路部」では生成された麻酔ガスを気化器に通した後に患者さんの口元に届けるため吸気弁を通して供給する役割があります。また、患者さんが吐き出したガスを再び循環させ管理するのも「呼吸回路部」の役割になってきます。循環の方法としては患者さんが吐き出した二酸化炭素をまず呼吸バッグに溜め込み、バルブで調節しながら「カニスタ」と呼ばれる二酸化炭素吸収装置に送り込んで循環させて行くやり方になります。
【全身麻酔の仕組みとは】
全身麻酔には2種類の方法が一般的に取られていて、一つが「吸入麻酔法」と言って口や鼻から麻酔薬を吸入させる方法になります。もう一つの方法が「静脈麻酔法」と言って静脈から麻酔を注射する方法になります。どちらの方法でも必ず麻酔器を用い、呼吸が弱くなっても良いように酸素を供給しそれを管理しながら行っていく方法とります。
【麻酔の役割】
麻酔の役割は全身麻酔の場合、意識をとることであり、局所麻酔の場合痛みの伝達をなくすことになります。いずれにせよ患者さんが痛みを感じずに手術に伴う恐怖心を取り除いてあげることが目的・役割といえます。
【麻酔の影響】
麻酔をすることによる人体への影響は「循環器系」や「自律神経系」「呼吸器系」「尿量」「体温調節」などへ及ぶとされています。
麻酔薬には循環抑制作用のあるものや施術に際して自律神経に影響がでたり、呼吸が浅くなったりするものがあります。
また麻酔薬を使用しているときには尿量の減少や体温の保持・低下などに注意して行う必要がでてきます。
【まとめ】
麻酔器が使用されるようになって100~200年ほどの時が経ちましたが、日本では江戸時代に華岡青洲によって既に薬草の組み合わせによる麻酔が取り入れられていたと言われています。その後西洋の麻酔技術が導入され、日本でも昭和24年に国産の麻酔器が開発されることになります。
しかし時代が変わっても麻酔器の役割や用途目的などは変わらず患者さんが痛みを伴わずに手術に臨めるようにすることが大切だと言えます。参考にされてください。