レーザーメスなどにも応用されるレーザーの基本構造

【はじめに】
光技術が医療機器にも用いられるようになって以前よりも医療機器の安全性や堅実な機能が求められるようになってきました。
今回医療の分野で用いられることが増えてきている「レーザーメス」の基本構造と原理、また応用分野についてお伝えしていきたいと思います。
【そもそもレーザーとは何か?】
レーザーを日本語に訳すると「放射の誘導放出による光の増幅」ということができます。
レーザーの基本原理を理解するにはまず原子核の周りの電子軌道について知る必要があります。原子核の周りを回っている電子には軌道が存在していますが、その軌道の内側と外側ではエネルギーの位相が異なります。このエネルギーの位相間を電子が移動することを「遷移」と言いますが、外部の量子の作用によって強制的にエネルギーが放出され励起された媒質中を通過し増幅された光エネルギーがレーザーの原理といえます。
【レーザーの基本構造】
レーザーの発振器は一般的に「励起源」「レーザー物質」「2枚のミラー」から構成されていてミラーの一方から数パーセントの光が透過するようにして放出された光がレーザー光線となります。一方もう一つのミラーは100%光を反射するのでこれらの2枚のミラー間を何度も反射往復して光の強度が強められることになります。
【レーザーの種類】
レーザーは使用する素子の種類によって以下の4つに分類されます。
・液体レーザー
色素などの液体を素子とするもの
・固体レーザー
ルビーやYAGなどの結晶を素子とするもの
・ガスレーザー
炭酸ガス、アルゴンガス、ヘリウムとネオンの混合ガスなどを素子とするもの
・半導体レーザー
半導体を素子とするもの
【低出力レーザーの効能効果】
医療分野などでも利用されることのある低出力レーザーは臨床的に自然治癒力を高める生体活性化効果が認められていて鎮痛や創傷治癒促進にも有益であるとされています。
【レーザーメスとしても利用されている】
最も早くレーザーを医用として利用したのは、アルゴンレーザーを用いた眼底凝固装置としてでした。その後「無血手術」を謳ったレーザーメスが炭酸ガスレーザーの誕生によって実用化され、その後さらに光ファイバーとYAGレーザーを組み合わせた非切開凝固装置などが登場しました。
【まとめ】
いかがでしたか?レーザーの基本構造は光の密度を高めてそれを増幅させる装置ということができます。
レーザー、レーザーメス等の基本構造を理解し医療の現場で役立てていただきたいと思います。ありがとうございました。