手術台用マットの概要、保管、清掃について
【はじめに】
手術台は、医療現場で手術を行う時に欠かせない道具です。手術台には手術台用マットを設置し、そこに患者を乗せて手術を行います。
今回はこの「手術台用マット」の概要、保管方法、清掃方法等についてお伝えします。
【手術台用マットの概要、保管、清掃方法】
1.手術台用マットの概要
手術用マットは、手術台に敷くマットです。
各社の商品ごとに、大きさや固定方法が少しずつ違うため、手術台と手術台用マットは同メーカーのものを使用するのが一般的です。
手術台用マットには、透視用頭足付テーブル用、透視用腹部挙上テーブル用、整形テーブル用などがあります。
マットの素材には、軟質ウレタンフォーム、ポリウレタン、ナイロン樹脂などが使用されており、付着した体液を容易に拭き取り・消毒できるように加工されています。
また、患者の褥瘡(じょくそう)を予防するための構造の手術台用マットや、手術台用マットと組み合わせて使う別売パッドなどもあります。
褥瘡とは床ずれのことで、長時間寝たきり状態の時に体の一部に血液が巡らなくなり皮膚などに損傷を起こした状態です。
褥瘡を防止する製品は、体への接触圧力が均等に分散するように作られているため、長時間の手術で体勢を変えられない時でも患者の体への負担を軽減することができます。
2.保管方法
手術台用マットは、急速な劣化を防ぐため、高温、多湿を避け、水滴などがかからない場所に保管します。
適切な保管、保守点検をした場合では、約7年ほど使用可能とされています。
しかし、これより使用期間が短い場合でも、著しい破損、劣化、消耗を生じた場合はメーカーへの修理依頼、買い替えなどの適切な処置を行ってください。
○取り扱い上の注意点
・手術用マットは商品により寸法が違うため、同メーカーが販売している純正の手術台で使用する
・マットレスを長時間消毒液に浸すと、著しい劣化を招く恐れがある
3.マットの点検、清掃について
患者の手術を安全に進めるためにも、手術台用マットの使用前・使用後は必ず、破損個所がないことを確認します。
清掃・消毒では、マットに付着した血液、薬剤などの汚れを水拭きし、消毒用アルコールガーゼで拭き取ります。
【最後に】
今回は、手術台用マットの概要、保管方法、清掃方法についてまとめました。
手術台用マットは手術に欠かせない道具の一つであり、安全に手術を行うためには常に清潔に保つ必要があります。
毎日の点検はもちろん、傷みが目立つようになったら修理などを適切に行うことが不可欠です。