モニター心電図に多いのは3点誘導
はじめに
心電図は心臓の状態を知るために利用されますよね。
そして、心電図で分かるのは心拍数や不整脈、虚血状態といったものになります。
入院している患者さんの中には、これらについて常に確認を取る必要がある場合もあります。そのような場合に用いられるのが「モニター心電図」です。
では、モニター心電図にどんな特徴があるのかみていきましょう。
モニター心電図の特徴
モニター心電図の目的は、長時間に渡り患者さんの心電図を観察することです。
長時間にわたって心電図を観察することで、いつ発生するか分からない不整脈を見つけ出すのに役立ちます。
この目的を達成するためにモニター心電図は、入院している患者さんの心電図の情報がナースステーションなどの離れた場所からでも得られるようになっています。それが可能なのは患者さんに心電図の情報を送る送信機をつけているためです。
それから単純に心電図が長時間観察できるだけでなく、異常な波形や不整脈の情報が得られたらアラームで知らせるようにもなっています。
また、アラームで知らされた情報や必要な情報をしっかり記録できます。
良く使われるのは「3点誘導法」
通常の心電図検査は12誘導で行われます。この方法は12の波形で心電図の情報を得ます。
ただ、この方法は横になって安静状態を保って測定する必要があるので、その状態を維持したまま長時間測定するのには向いていません。
また、不整脈や心拍数の変化はいつ起こるか分からないため、12誘導の心電図検査のときに確実に捉えるのは難しいと言えるでしょう。
これらをカバーする特徴を備えているのがモニター心電図であることは、上で説明しました。
モニター心電図で良く用いられる検査方法は3点誘導法になります。
3点誘導法は赤・黄・緑の3つの電極を張り付けて測定する方法になります。
そして3点誘導法には、誘導のやり方がIからIIIまであり、多く行われているのがII誘導と呼ばれるものです。II誘導だと不整脈が捉えやすい波形が現れる傾向があります。
とはいっても、モニター心電図で行われる3点誘導法は簡易的なものであり、II誘導もやり方のうちの一つに過ぎません。ですから、得られる情報に限りがあるうえ必ずしも正確な情報というわけではありません。
この点を考慮して正確な情報が求められるときは12誘導での心電図検査が必要になります。
まとめ
モニター心電図は、患者さんが入院生活を送りながらでも心電図の測定ができるのが大きなメリットです。
そのメリットをちゃんと生かすためには、いくつか注意点があります。
それは、電極を付けたあとに波形をしっかり捉えられているかや、アラーム設定がちゃんとしているかなどの点です。
これらの注意点を踏まえて患者さんの不整脈や心拍数の変化といった異常を捉えられるように努めていきましょう。