血圧計 上腕式と手首式~それぞれの特徴~

生体現象測定記録・監視用機器

はじめに

血圧計にはいくつかの種類がありますが、日常的な通院場面や一般的な家庭で用いられることが多いのは上腕式もしくは手首式の血圧計でしょう。
今回は、双方の血圧計の特徴を見ていくことにします。

上腕式とその利点

比較的正確に測定を行えるという点から、日本高血圧学会が家庭での使用を推奨しているのが上腕式の血圧計です。
血圧は一日の間でも変動を繰り返しているため、長期に渡り毎日同じような時間に測定して記録し続けていくことが重要になってきます。
そして、血圧は、測定する際の姿勢にも影響を受けます。
手首式の血圧計では、測定時の姿勢が制約されないため、毎回異なった姿勢で血圧を測定するといったことになりやすく、そうなると日によって測定値にもばらつきが生じてしまうということになります。
その点、上腕式であれば、測定時の姿勢が比較的限られてくるので、測定値の正確さという点では優れているといえるわけです。

なお、上腕式の血圧計には2つのタイプがあります。
一つは腕帯(カフ)を自分で腕に巻くタイプのもので、もう一つは固定された血圧計のわっかの中に腕を通して測定するタイプ(アームタイプ)のものです。

自分でカフを巻くタイプのものは、巻き方や巻くときの強度に慣れが必要ですが、いったん慣れてしまえば容易に測定することができますし、コンパクトで置場所に困らない上、価格が比較的安いといった利点があります。

これに対してアームタイプは、価格が比較的高価です。
置場所も必要になりますが、腕を通すだけで簡単に測定でき、カフを巻くときの強度による誤差が出にくいという利点があります。

手首式とその利点

正確さという点では上腕式のほうが優れていますが、手首式にも利点はあります。
一番の利点は、手軽に測定しやすいということです。
血圧の測定は、継続して行うことが大切ですから、測定の手軽さは「続けやすくする」という点でメリットといえるでしょう。
また、手首式は比較的小さめのサイズのものが多いですから、旅行や出張などで何日間か家を離れるようなケースでも持っていきやすく、旅先でも血圧の測定を継続して行うことができます。
それに加えて、上腕式よりも価格が安めに設定されている商品が多いということも、手首式の利点といえるでしょう。
なお、先ほども説明したように、手首式には測定姿勢の制約の少なさから結果にばらつきが生じやすいというデメリットがあります。
ですから、できるだけ毎日同じ姿勢で測定するように注意しましょう。

最後に

血圧は、長期間に渡って同じようなタイミングで測定し、記録し続けることが大切です。
日本高血圧学会では「朝と夜、それぞれ定まった時間に2度ずつ測定し、各々の平均値を記録する」ということを推奨しています。
なお、朝は朝食をとったり、薬を服用したりする前、夜はお風呂を済ませて60分以上経過してから、測定するようにしましょう。

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