血圧計での加圧のポイントと測定手順について

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はじめに

医療機関や健康診断などで必ずと言っていいほど測定をうながされる血圧値。
自分で正確な値を測定できれば良いですが、意外とバラツキが出ることもあります。
また、看護師など測定に慣れているはずの人でも血圧計の扱い方を知らないと、測定誤差が生まれたりします。
血圧計で血圧値を測定するときには加圧がきちんと行われることがポイントです。
今回は血圧測定の手順と血圧測定の注意点などについて見ていくことにしましょう。

水銀血圧計での測定の手順

水銀血圧計を用いて血圧値を測定するときは、まず血圧計の点検からするべきです。
その際ポイントとなる項目を以下示してみました。

1.水銀柱に空気が混入していないか
2.水銀が漏れていないか
3.ゴム管に破損はないか
4.送気球からの送気、排気はちゃんと行われているか

点検が完了したら今度は血圧計のカフ(腕に巻き付ける布状の部位)が適切かを確認します。
カフの幅が、患者さんの腕に対して大きすぎると最高血圧値が低くなる傾向があり、また、狭いと高めになりがちです。
ですので、カフの加圧部分の幅は大人用(12~14cm程)、子供用(8~9cm程)といったように患者さんに合わせて取り替えましょう。
ここまで完了したらいよいよ測定の手順に入ります。

血圧測定の手順

血圧測定をするときまず血圧計の高さ、位置を決定します。
このとき、患者さんの腕の高さに合わせるのが一般的です。

また、上腕にカフを巻くときには、加圧部分の中心に上腕動脈がくるように調整します。さらに肘窩(ちゅうか)とカフの下端は2~3cmあけて巻きます。

カフを巻き終えたら、橈骨(とうこつ)動脈上の脈に触れ、加圧を開始します。
そして送気球で脈が消えるまで加圧し、消えたときの血圧を読みます。

ここまで終えたら圧をいったん下げ、血流を元に戻しつつ、先ほど読んだ血圧値に20~30mmHg加えた値まで圧を上げます。
再び血圧を徐々に下げたのち聴診器を当て、血管音が最初に聴こえた値を収縮期血圧として読み取ります。
最後に空気を抜き、拍動音が消滅したポイントの血圧値を読み取り完了となります。

まとめ

血圧測定の際には注意すべき点がいくつかあります。
例えば、動静脈採血後の患者などは血圧測定をしてはいけません。
また、正確な血圧値を測定したいなら、測定する器具・時間など条件をそろえなければいけません。
血圧は全身の状態を調べる上で重要な指標になります。
正しい加圧の仕方や測定法を身に付け、現場等で役立てていただければ幸いです。

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