手術台マットの種類と性能
手術台マットは、手術する際に使う手術台にしくマットですが、その扱い方や種類、また医療の現場で問題となっていることなどを含め、必要な性能などをざっくりと書いていきましょう。
マットの種類
手術台用のマットの種類は、各社ごとに違うのですが手術台の種類自体もたくさんあり、手術台のメーカーと同じものを使用するのが一般的です。また、マットも手術箇所や体位によって選べるようになっており、それぞれの使用目的に合わせてわけられています。
例えば・・
〇 1時間以上かかる手術の際や循環系統に問題のある患者さん、また側臥位や腹臥位の体位が必要な場合に使用するのに適しているのは、広範囲処置用のフルサイズのマットです。
〇 頭部、中心部、脚部の3点に分かれている分離式手術台用3点等身大マットは、それぞれ個別にしたり組み合わせて、使用できテーブルの全面で圧迫を減少させる広範囲処置用に適しています。
〇 局部麻酔をかけた場合に使用する場合は、頭部から足までのフルサイズマットで体の端から端まで均等に体圧分散させ、動きが最小限に抑えられるマットです。より安全な処置が可能です。
〇 診療所や整形外科などの手術台など多目的マットとして使用します。背中、肩、後部などにロール状まいて使用できます。
〇 膀胱結石除去手術などに使用される会陰部くりぬき型のマットは、肛門科、産婦人科などでも使用されています。
〇 素材
マットの素材にはポリウレタン、ナイロン樹脂、軟質ウレタンフォームなどがあり、X線を通過するものや帯電防止加工などが施されていて、電気メスが使用できるものなどがあります。ほとんどが、防水加工されており手術中や術後の処理が簡単にできるようになっています。
褥瘡(じょくそう)
褥瘡(じょくそう)とは、床ずれのことです。長時間寝たきりの状態の場合、体の一部に血液がまわらず圧迫壊死や神経障害をもたらします。床ずれのというと寝たきりの方がなるイメージが多いですが、手術に関してもいえることです。
医療現場でも重大な問題となっています。手術といっても2~3時間で終わるものもあれば、10時間以上かかる場合もあります。また、手術が終わっても麻酔がさめて自分で体位を変えることができるまでには時間がかかることも多く、手術によって起こる圧迫障害は軽傷も含めほとんどが起こるといえます。そのため、患者さんの負担を少しでも軽くするために上記のようなマットを使用するなど、問題解決に取り組んでいるのが現状です。
まとめ
手術台につかわれるマットは、手術台の種類と同じように用途や種類によって違います。医療現場では、褥瘡(じょくそう)の予防策としていろいろなマットがあるようですが、マットも沈み込み過ぎると手術に影響がでたりするためマットの選択も重要です。また、手術を安全に進めるためにも使用前後の消毒、破損の確認などはとても重要です。