心電図の基本的な仕組みを知ろう! ~5極とは何か?~

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健康診断や人間ドックなどで、検査を受けたことのある方も多い心電図。しかし、心臓の検査でしょ?という漠然とした感じではないでしょうか。ここでは、心電図の基本的な仕組みとその中の5極とは何かを書いていきましょう。

心電図の基本的な知識

〇心電図とは
心臓が全身に血をめぐらせるときに起こす、収縮と拡張を繰り返すときに出る微弱な電流を波形として記録するものです。その波形の乱れから、病気の兆候を読み取るのが心電図検査です。心臓の疾患に対して比較的簡単にできる検査として、病気発見の手がかりとして多く活用されています。

〇検査によってわかること
まず、心臓の働きや心臓病の発見・診断、病状の把握、治療の効果、薬の副作用など。

・心臓の動き(収縮や拡張)
・心臓の筋肉に酸素と栄養を供給する冠状動脈の血流が円滑であるか(動脈硬化)
・心筋に異常がないか
・甲状腺機能障害などの内分泌疾患による心臓への影響など

どのように検査するか

上半身裸になり仰向けになります。皮膚と電極間の電気を通りやすくするために、ケラチンクリームを塗ります。ほとんどが両手首、両足首、胸の6箇所に電極を取り付けます(胸部誘導)。その他は、両手首・両足首の3箇所だけで行う(四肢誘導)や胸部の5箇所につけられる(胸部誘導)があります。

電極の種類

心電図には基本的な誘導法が12種類あります。誘導とは心臓をどこから見ているかと考えます(電極を取り付ける場所から見るということ)。12誘導に対して電極は10個あり記録用紙に示される波形は電極(色別)ごとに分かれています。

〇四肢誘導
上記でも書きましたが、四肢誘導を見るのは両手両足の電極です。(そのうち1つはアースです)。波形は(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、aVL、aVF、aVR)に分けられます。

・右手首 電極(赤)
・左手首 電極(黄)
・左足首 電極(緑)
・右足首 電極(黒)※アース

〇胸部誘導
波形は(V1~V6)で分けられます。

・V1 電極(赤) 
・V2 電極(黄)
・V3 電極(緑)
・V4 電極(茶)
・V5 電極(黒)※アース
・V6 電極(紫)

〇3点誘導法(3極)
基本的に四肢誘導法で、通常は左腰に付けている電極(緑)がプラス側になり右肩の電極(赤)がマイナス側となっています。四肢誘導の第Ⅱ誘導となります。

・左腰電極(緑)
・右肩電極(赤)
・左方電極(黄)

〇5点誘導法(5極)
5点誘導は、標準の四肢誘導と同じ関係で(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、aVL、aVF、aVR)の波形が得られます。任意の胸部誘導部位に取り付けることで、1つの胸部誘導波形もモニターできます。
例えば、胸部誘導部位の選択は、不整脈の観察が目的の場合V1電極(赤)を選び、心筋虚血の判定の目的の場合はV5電極(黒)かV6電極(紫)が適当です。

・左腰電極(緑)
・右腰電極(黒)
・右肩電極(赤)
・左方電極(黄)
・目的によって異なる電極

まとめ

心電図の基本的な知識と電極について書いてきました。難しい専門用語が出てきますが、電極を取り付ける場所などによって、波形が異なり心臓の病気などを読み取ることができるということです。

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