デジタル脳波計のサンプリング周波数とは
デジタル脳波計とは、その名の通りデジタルの脳波計のことをいいます。脳波信号をデジタル化し、処理することでさまざまなデータを電子媒体に保存することができることから、アナログの脳波計よりも便利になっていますが、デジタル脳波計のサンプリング周波数は少しわかりにくいものとなっています。どのようなものなのか、こちらで見てみましょう。
サンプリング間隔・サンプリング周期とサンプリング周波数の関係
従来のアナログ機器は、サンプリング周波数という概念はありませんでした。なぜかというと、アナログ信号として変化を示す入力信号をそのまま処理していたからです。
しかし、現在主流になっているデジタル機器においては、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換する必要があります。その時のデータをサンプリングする時間間隔を「サンプリング間隔」または「サンプリング周期」といい、その逆数が「サンプリング周波数」ということになります。
サンプリング定理
サンプリング定理とは、どのくらいの時間間隔でサンプリングすれば、元のアナログ波形の性質を正確に再現できるかという基準を理論的に示したものです。
サンプリング定理を簡単にいうと、デジタル信号で再現可能な最高周波数は、サンプリング周波数の半分であるというものです。
つまり、サンプリング周波数は原信号のもつ周波数成分の上限周波数の2倍以上に設定しなければならないということになります。
例えば、サンプリング周波数500Hz(サンプリング間隔2ms)で脳波を記録したとします。そうすると、その半分の250Hzまでの波しか再現できないということです。このサンプリング周波数の半分の周波数をナイキスト周波数と呼びます。
前述したことをもう少し掘り下げて見てみましょう。
デジタル脳波計では、記録したデータの解析処理を行うために、アナログ信号をデジタル信号に変換します。その際のサンプリング周波数は、通常はナイキスト周波数に従って用いた高周波フィルターの2倍以上の周波数を用います。
ナイキスト周波数とは、ある信号を標本化する際におけるその信号サンプリング周波数の1/2の周波数のことで、ナイキスト周波数を超える周波数成分は標本化した際に、再生時に元の信号と同じように忠実には再現されないのです。
そのようなことから、実際にはサンプリング周波数は、高周波フィルターの3~4倍以上が一般的に推奨されています。
まとめ
デジタル脳波計について説明してきましたが、デジタル脳波計はアナログ脳波計に比べて便利にはなっていますが、アナログ脳波計に慣れていると少し使いづらいところもあるようです。機器の仕組みや性能を理解し、使いこなしていく必要があるようです。