電子血圧計で測定不能の表示が出た際に疑われることは
「高血圧だと診断された」「健康に気をつけたい」などの理由により、簡単にあつかえる電子血圧計を活用している方もいらっしゃるでしょう。しかし、電子血圧計も使い慣れていないと、測定不能となる場合があります。電子血圧計で測定不能(エラー)が出る理由について考えていきましょう。
電子血圧計で測定不能(エラー)と表示される理由
エラーと表示される理由はいくつかあります。こちらで見てみましょう。
〇腕帯が正しく巻けていない:本体と腕帯を繋ぐエアプラグが奥まで差し込まれていない、腕帯が正しい巻き方でない場合は適切な加圧ができず、測定不能となります。
〇測定中に腕や体が動いている:測定中に腕や体が動くことで、適切に加圧されずに正しい測定ができません。
〇必要以上に加圧している:測定中に腕帯に触れている場合や腕帯を押さえている場合、腕帯チューブが折れ曲がっている場合に、必要以上に加圧し、測定ができません。測定中は腕帯に触れずに、腕や体が動かないように注意が必要です。
〇測定中に腕や体が動いたり会話をしている:測定中に腕や手首、体が動いている場合や、会話をしていると正しく測定できません。
〇脈が適切に検出されていない:上着の上から腕帯を巻いた場合や、袖をまくり上げて腕を圧迫した状態で腕帯を巻いた場合、測定中に腕や体が動いた場合に脈が正しく検出できず、測定できない場合があります。
〇本体が故障している:本体が故障をしている場合は、測定不能の表示が出ます。
不整脈が原因で起こる場合も
病院などで使用されている血圧計は聴診法といい、血液が心臓の心拍に合わせて流れ始めた時、発生する血管音を測定に利用する方法です。この血管音を「コロトコフ音」といい、コロトコフ音が発生する開始時の、カフの圧力を最高血圧と呼び、コロトコフ音が消こえなくなった時のカフ圧を最低血圧としています。
しかし、家庭などで使用されている血圧計のほとんどはオシロメトリック法を採用しています。オシロメトリック法とは、音ではなく測定部位に巻いたカフに伝わってくる血管の振動により血圧を測定する方式です。
血圧測定の際は、測定部位をカフにより圧をかけ、一瞬血流を止めます。そして徐々に圧迫を緩めていくうちに、止めていた血流が再び流れ出します。
一旦止まっていた血流が、再び流れ出した瞬間にカフにかかっていた圧力が最高血圧なのですが、聴診法では「ドクン」という血が流れ出す音で、オシロメトリック法では血が流れ出した瞬間の振動でその瞬間を判断するのです。
つまり、オシロメトリック法では、血管から伝わってくる振動、つまり脈が非常に重要で、測定中に脈が飛んだり、リズムが不規則になったりすると、血圧計が脈の振動をうまく感知できずエラーとなるのです。
高血圧の方が、家庭用で血圧を計測してエラーになりやすいのは、実は血圧の高さが原因ではなく、高血圧の方が併発しがちな不整脈が原因だといわれています。
まとめ
不整脈は常に頻発しているわけではなく、運動直後や疲労が重なると発生することが多いものです。このような症状は普段血圧を測定していてもわからないものなので、病院でトレッドミルなどを利用して運動負荷をかけた時のバイタルを測定することが可能です。