脳波計の耐用年数の意味と実用性
脳波計は、てんかんや意識障害など脳の異常を検知する為に、脳内で生じる電気的活動を測定する事に使用されます。脳波計だけでなく全ての医療機器などに耐用年数が存在します。脳波計の耐用年数の意味と実用性について紹介します。
脳波計を含む全ての医療機器に耐用年数がある
脳波計とは、脳が発している微弱な電気信号を電極によって観測する医療機器です。被検者の頭部の取り付けた複数の電極から脳の電気信号を電位差として検知し、それを時間変化に伴う波形として表したものが脳波となります。脳波計によって、脳の活動状態を示す電気的状態が脳波という形で導き出される仕組みとなっているわけです。
脳波計の耐用年数は、国が定めた「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」内に記載されている耐用年数表から求められます。医療機器としての特徴を分類に当てはめる事で、耐用年数を導き出せるわけです。
耐用年数表から脳波計について調べると、次の通りとなります。
まず、機械の構造や用途によって医療機器に分類される事になります。「移動式のもの、救急医療用のもの及び自動血液分析器」と「その他のもの」と比較すると、脳波計の特徴から「その他のもの」に分類します。その分類に該当する医療機器の耐用年数は6年とされている為、脳波計は耐用年数6年となるわけです。
脳波計を使用できる期間と「耐用年数」は、決して同じではない事を、認識しておきましょう。長期間使用する税法上の資産は「固定資産」に位置付けられ、医療機器もこれに該当します。固定資産を購入した際の費用は経費として計上できる年数が定められており、それが「耐用年数」の意味するところです。
おおむね高額となる固定資産の購入費について経費計上を行う場合、購入費を数年にわたって分割する事ができます。その分割可能な年数を指すものが「耐用年数」であり、このような税制上の仕組みを「減価償却」と呼んでいます。
脳波計の耐用年数は6年としましたが、付属する機能及び構造などで以下のように変化する場合も考えられるので注意しましょう。
〇 4年の場合は、レントゲンその他の電子装置を使用する機器で移動式の場合
〇 6年の場合は、レントゲンその他の電子装置を使用する機器の場合
〇 10年の場合は、金属製の医療機器などの場合
※「特別償却」のように、前倒しで損金として計上する事が可能ですが、全体的な総額は変わりません。
耐用年数とは、固定資産としての経費にできる年数であり、実用する期間とは意味が異なります。麻酔器を含め医療機器全般を実際に使用する場合には、毎日の点検や業者による定期点検などを含めて、医療機器の保守整備を適正に行う事で、耐用年数を超える長い期間にわたり使用可能となります。
耐用期間や耐用寿命について
医療機器には、耐用年数以外にも、耐用期間や耐用寿命について定義しています。
1.耐用期間
適切な使用法、標準的な保守点検の実施、部品の交換などが滞りなく行われ、尚且つ修理やオーバーホールを行ったとしても、機械の安全性や信頼性が維持できなくなる予想寿命の事です。
2.耐用寿命
予想寿命に対して、物理的な場合や技術的な場合を含めて、結果的に対象となる機器が使用できなくなる期間の事です。
3.耐用年数
税制上の軽減措置として減価償却資産の経費にできる年数の事です。
まとめ
脳波計の耐用年数をおおむね6年としましたが、構造などの違いで耐用年数が異なる場合もあります。節税などを行う為の経費面で用いられる年数ですので、医療機器としての実用年数ではない事を理解しましょう。脳波計は保守やオーバーホールによって安全に使用できる年数を伸ばす事ができるのです。