CT装置と造影剤を用いた診断法とは

生体現象測定記録・監視用機器

CT装置とはエックス線を使って身体の断面画像を映し出すものです。微量のエックス線吸収差をコンピュータによって画像化し、体の中の様子を詳細に調べることができます。また、造影剤を服用や注射することなどにより、病変や、血管の様子を知ることができ、病気の早期発見に役立っています。

CT装置の構成

CTとはComputed Tomographyの略で、日本語に訳すと「コンピュータ断層撮影」になります。CT装置は、操作するコンピュータの「コンソール」、大型の輪状である「ガントリ(架台)」、患者が横たわる「クレードル(寝台)」から構成されています。

ガントリの樹脂カバーの内側には、エックス線を発する「管球」と、逆サイドに透過エックス線を受ける検出器があります。管球はかなり重く700Kgあり、検出器は円弧状の形状をしています。管球や検出器がガントリの中で1周あたり0.5秒以内に回転しています。

CT装置の原理

エックス線による透過に関しては、臓器や組織によって程度が異なってきます。CTは、連続的に管球から照射されたエックス線のデータを集め、コンピュータ処理をすることによって、透過の程度を、黒から白の階調として表示します。

CT画像では骨などが白く、空気などは黒く示されます。また、筋肉や臓器などは灰色で示されます。CT検査には、造影剤を使用する方法とそうでない方法の2種類あります。

造影剤とは

造影剤を使用するCT検査には、注射するタイプのものと、服用するタイプのものがあります。注射するタイプの造影剤は、血管内などの血流の状態を知ることができ、服用するタイプの造影剤は、胃、腸などの様子がわかりやすくなります。いずれも、診断する上で必要な情報となります。

造影剤を使用する理由

小さな病変はエックス線の透過性だけでは、あまり変化を知ることが出来ません。造影剤があって初めて診断できる場合もあります。造影CT検査は、診断を急ぐ外傷、血管性病変の描出、腫瘍の進行度合などの鑑別などに有用です。

造影剤による副作用は?

静脈の注射に使用される造影剤は、ヨード系造影剤であり、正常であれば注射後6時間後には、約90%が腎臓から尿として排泄されます。造影剤を注入すると身体に熱を帯びるように感じることがありますが、速やかにその症状は消えます。

CT検査をしているときに気分が悪くなったり、かゆくなったり、じんましんが出たりすることがあります。レアケースとして、胸が苦しくなったり、冷や汗が出たりすることがあります。そのようなときは、患者に対し、設置したマイクでいつでも話しかけるよう促してください。それに応じて適切に対応をしましょう。

まとめ

脳出血やくも膜下出血、肺がん、心臓疾患、腹部の臓器に発症するがんを発見することができるなど、CT装置に寄せられている期待は大きいです。正しく運用して事故がないよう努めたいものです。

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