心電図検査の異常を出さない為の注意点

生体現象測定記録・監視用機器

医療機関で広く用いられている心電図を使った検査ですが、何らかの原因で異常な値を示す事があります。被検者の状態などが影響する場合や心電図記録時の問題など、原因は様々です。今回の記事では、異常の原因となる要素を幾つか取り上げて解説します。

心電計の取り扱いの注意事項

ここでは、心電図検査を始める前の心電計の取り扱いについての注意事項を順番に説明します。

1.心電計の運搬時は出来るだけ平行にして、振動を与えたりぶつけたりしない様に注意する。
2.心電計を使用する際には必ずアースを取る。
3.心電計の電源コードと誘導コード・アース・被検者は出来るだけ距離を置く。
4.心電計はレントゲン機器など他の大型機器とは別の電源につなぐ。

心電図記録時の注意事項

【被検者について】
〇走って検査室へ駆けつけた人は少しの間、休ませてから検査する。
〇脊椎彎曲、及び関節硬直などのある人は無理に身体を伸ばさせない。
〇電極を取り付ける部分の皮膚の汗、皮脂、埃を純アルコール類で清拭する。
(消毒用アルコールを使うと水分が残り易い為。)

【四肢導子について】
〇四肢導子の固定は、クリップが取り扱い易い。
〇メッキしてある導子は、紙やすりなどで磨いてはならない。
〇導子は皮膚の薄い部分に装着する。

ノイズについての注意点

心電図をチェックしていて、線がギザギザになったり、上下にゆらゆらと動く事がありますがこれはノイズ(雑音)と呼ばれる物です。このノイズについての注意点は幾つかあります。

【交流が原因のノイズ】
ギザギザの波形が連続するという特徴があります。50Hz、あるいは60Hzの正弦波のノイズが出る場合は、コンセントから供給される電気が原因です。対策としては次の様な物があります。

〇電源コードをできるだけ被検者から遠ざける。
〇その他の機器を遠ざける。
〇室内にある今使う必要のない電気機器の電源コードを電源コンセントから抜く。
〇被検者のベッドの位置を今いる位置から移動する。
〇心電計アースを確実に取る。(アース線を確実に接地させる。)
〇被検者の身体と、ベッドの間にシールドシートを入れる。
〇ベッドの足にゴム皿などを使って床から電気的に浮かす。
〇被検者の皮膚を清拭する。
〇3P‐2P変換プラグの使用を中止する。

などです。

【筋電図のノイズ】
ギザギザとしたノイズが連続して見られるのは、被検者の身体動が原因で起こるノイズです。被検者が緊張することで、身体が硬くなっていたり、手先や足先がベッドからはみ出ていたり、手足が衣類で締め付けられていたり、室温が低いなどの原因で起こります。

対策としては、電極を取り付ける位置を鎖骨の下付近にする。その他、被検者の緊張をほぐしてリラックスしてもらう。などが挙げられます。

【呼吸性変動によるノイズ】
胸部の動きによって波形が上下する現象です。対策としては、電極の位置を変えるという物があります。

【機械的トラブルによるノイズ】
不規則的なノイズが連続して、又は時々入る。このノイズは心電図のコードの断線、コネクタの接触不良などで起こるノイズです。電極の汚れが原因である場合は、清掃する事で解消出来る事があります。コネクタ部分が汚れていないかチェックしましょう。コネクタを清掃し、コネクタを挿し直して改善しなければ機器の修理が必要です。

まとめ

今回は、心電図検査で異常が出る原因についてお伝えしました。異常の生じる原因は様々ですが、それぞれ対処法はありますので、落ち着いて行動しましょう。

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