心電図で発見される「期外収縮」とは? 二段脈についても

生体現象測定記録・監視用機器

期外収縮とは、通常のリズム以外に心臓の収縮が起こる、いわゆる「不整脈」と呼ばれます。不整脈にはさまざまな原因により起こりますが、期外収縮による不整脈は最も頻度が高いといわれています。
期外収縮には心臓の上部(心房)から発生する心房性(上室性)期外収縮と、心臓の下部(心室)から発生する心室性期外収縮があります。これらの期外収縮は健康な人にもみられるもので、心房性期外収縮は健康な成人でも約90%以上、心室性期外収縮は約50%の人にみられるとも言われています。そのため、自覚症状もなく放置していても重篤なリスクがない場合がほとんどですが、心筋梗塞や狭心症などを伴う場合には治療が必要となります。
期外収縮の診断には心電図が用いられます。

 

○心房性期外収縮とは

心房期外収縮とは、異常な電気信号によって正常な拍動が起こる前に心房が活性化されることで余分な拍動が生じるといったメカニズムで起こります。左右の心房だけでなく、肺静脈、上大静脈などから発生することも多いと言われています。心房期外収縮により症状が現れることはまれです。若年層よりも高齢者に多く見られ、飲酒や紅茶・コーヒー、風邪・花粉症、ストレスなどの刺激により期外収縮が誘引・悪化することがあります。

 

○心室性期外収縮

心室性期外収縮は左右の心室、心尖部や心室中隔、血液の流入部・流出部を起源として、異常な電気信号により余分な拍動が生じるといったメカニズムで起こります。
心室性期外収縮は健常者でも起こることがありますが、心筋梗塞や狭心症など心疾患をもつ方に多くみられます。症状が現れないこともありますが、動悸や息切れ、脈の結滞を感じることがあります。

 

○二段脈・三段脈とは?

心室性期外収縮は不規則に起こることもあれば一定間隔で起こることもあります。一定間隔で起こる心室性期外収縮で、洞調律に対して心室期外収縮が1つおきに起こることを「二段脈」、心室性期外収縮が2つおきに起こること「三段脈」と言います。規則正しく出現するため、リスクはそれほど高くありません。
ただし、心室性期外収縮が起こる頻度が非常に多いケースにおいては血液動態に悪影響となるため動悸などの症状が現れます。重篤なケースでは心室頻拍(VT)へ移行する危険もあるため注意が必要です。

 

○心室性期外収縮の予後

心室性期外収縮の頻度によってある程度の予後予測をすることができます。
心室性期外収縮が1日に1000発以上出現する場合には突然死のリスクが正常な人と比較して2倍に上昇するといわれており、1日に10000発以上出現する人の20%は心機能の低下がみられると言われています。

ピックアップ記事

関連記事一覧