ターミナル期(終末期医療)で行うケアの内容について解説
医療機関では、がんなどの病気が進行し、余命わずかという状態の方の「ターミナル期」にも対応することが求められます。
ターミナル期の医療や看護が行うケアを「ターミナルケア」といいますが、残された余命を平穏に過ごすことができるようなサポートのことです。
ターミナル期にある方の意思や尊厳を尊重しつつ、心を穏やかな状態で暮らすことができるような支援や、生活の質(QOL)を保つ処置を行うことになります。
そこで、ターミナル期(終末期医療)で行うケアの内容について解説していきます。
ターミナルケアの対象者
ターミナルケアの対象になるのは、医師から余命があと数か月と判断された方です。
従来までであれば、ターミナルケアの対象者は、がん・認知症・エイズなどを患った方を中心としていました。
しかし近年では疾患の種類は問わずにケア対象とすることが多いといえます。
ターミナルケアの場所
ターミナルケアを行うのは、病院や介護施設など以外にも、自宅という場合もあります。
看取りケアを行う老人ホームも増えつつあるため、その場所は一定ではありません。
ターミナルケアの内容
ターミナルケアで行う身体ケアは、痛みや不快感を緩和したり取り除いたりする投薬などです。
食事・入浴・排せつなどの介助も行うことになり、もしも口から食べることができなければ、チューブで栄養を取り込む経管栄養や、穴をあけた胃に直接食べ物を注入する胃ろう、中心静脈栄養など点滴を行うこともあります。
自分で動くことができない方の床ずれを防ぐことや、入浴できない方の体を清潔に保つため清拭なども行います。
これらのターミナルケアを自宅で行う場合、介護者となる家族の負担が大きくなることや、万一容体が急変したときすぐ対応できない可能性もあります。
そのため在宅で利用できる医療や介護のサービスを上手に活用することをオススメします。
ターミナル期でかかる費用
在宅でターミナルケアを続けるときには、医師に往診を依頼することや訪問看護を利用する回数によってコストが変わってきます。
意思の往診は1回2~3万円程度かかることになり、訪問看護も1回1万円程度が目安です。
健康保険や高額療養費の対象であるものの、年齢や病状によって負担する上限は変わることから、事前に確認しておくとよいでしょう。
訪問介護は利用する介護サービスで料金が変わるものの、介護保険適用となるため自己負担を1〜3割に抑えることができます。