脳波を利用した最新技術と簡易脳波計の特徴とは?

生体現象測定記録・監視用機器

脳波は生体から起こる非常に重要な情報として注目を集めています。脳内の情報処理には意志決定や運動の指令、生物としての生理的な情報伝達などあらゆる活動の基となっています。脳波という情報を的確に記録・解析をすることができれば、今まで治療が困難とされてきたてんかんや認知症、精神疾患などの脳機能障害の診断や治療、研究に役立てることが期待されています。


また、脳機能障害だけでなくともストレスや精神疲労、睡眠状態といった症状を把握することにより重篤な疾患に進行することを予防するといった目的ことも可能になるでしょう。
また、最近ではブレインマシンインターフェース(Brain-computer Interface : BCI)と呼ばれる脳波の検出や逆にコンピューターから脳へ電極信号を送るといったインターフェースも研究が進んでいます。交通事故やスポーツ障害での脊髄損傷や筋萎縮性側索硬化症などの神経難病によって神経系の障害がある方が脳波をコンピューターが情報処理を行い、義手や車椅子などの操作が自由に行えるといったことが可能となります。
また、脳に電気または磁気刺激を継続に行う「脳深部刺激療法」は振戦やパーキンソン病に有効な治療法として保険適用にもされています。

○脳波計の簡易化
脳波検査といえば専門病院で主にてんかんの鑑別診断と脳死判定に利用されていました。その他、脳血管疾患や脳腫瘍、脳挫傷、脳の感染症、精神疾患などの診断材料としても利用されています。逆にいえば特定の疾患の疑いがなければ脳波検査をすることはほとんどありません。
臨床用の脳波計は1セット500万円を超える機器もあり、簡単に手に入れることは難しいでしょう。また、機器の操作や電極の装着や位置、明瞭な記録をとることは熟練した技術と知識が必要であり、専門の医療機関でしか脳波検査ができませんでした。

○簡易脳波計の登場
以前までの脳波検査は敷居が高く、誰でも簡単に測定できるものではありませんでした。しかし、最近では「簡易脳波計」と呼ばれる専門的な技術や知識がなくても簡単に脳波を測定できる機器が発売されています。簡易脳波計はさまざまな機種が発売されていますが、以下の特徴があります。

・低価格
簡易脳波計は高性能なタイプで30~50万円、家庭用であれば4~5万円程度で販売されています。

・複雑な電極装着が不要
簡易脳波計は頭皮に電極を取り付けるのではなく、ヘッドセットとよばれるヘアバンドのような機器を前頭部に巻きつけるだけで測定をすることが可能です。

・記録、解析が自動化
記録はモニタに表示されるため、記録用紙をセットする必要がありません。また、記録の解析も自動で行い、専用のソフトウェアで解析できる機種もあります。

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