代謝内科とは?対象とする疾患や代謝性疾患について簡単に紹介
医師が診察する身体の部位や疾病は、診療科ごとに大きく異なります。
診療科は複数あるものの、それぞれどのようなときに受診すればよいのか迷うこともあるでしょう。
そこで、代謝内科とはどのような診療科なのか、対象とする疾患や代謝性疾患について簡単に紹介していきます。
代謝内科とは
「代謝内科」とは、糖尿病・脂質異常症・肥満症・高血圧症・高尿酸血症などの代謝疾患や、甲状腺疾患・副腎疾患・下垂体疾患などの内分泌疾患を中心として診断・治療する診療科です。
血糖値・コレステロール値・尿酸値などの代謝に関する領域
甲状腺や副腎ホルモンなど内分泌に関する領域
ナトリウム・カリウムなど電解質の疾患
などの専門といえます。
代謝や内分泌は、生活習慣病に影響するため、早期の診断・治療・管理が重要です。
血液検査や超音波検査などで治療方針を決めていくことになりますが、主に次の疾患が代謝内科の対象といえるでしょう。
・糖尿病
・高脂血症
・痛風
・高尿酸血症
・バセドウ病
・橋本病
・亜急性甲状腺炎
・甲状腺腫瘍
・下垂体腫瘍
・アジソン病
・原発性アルドステロン症
・褐色細胞腫
・クッシング症候群
・副腎腫瘍
・副甲状腺機能亢進症
・高カルシウム血症
・骨粗鬆症
・メタボリック症候群
・肥満症
など
代謝性疾患とは
人の代謝とは、日々の食事などで体内に取り入れた栄養素を利用し、必要な脂肪・糖質・タンパク質などを作ることや、燃焼させてエネルギーにすることです。
そのため代謝の働きが正常でない場合、何らかの病気が潜んでいる可能性があるため、代謝内科で対応します。
代謝を阻害する領域の疾患には、糖尿病・高血圧・脂質異常症・脂肪肝・高尿酸血症(痛風)・メタボリック症候群・肥満症などが含まれます。
多くは動脈硬化と関係しており、早期に治療しなければ脳梗塞・心筋梗塞・狭心症・閉塞性動脈硬化症(ASO)などの発症につながるリスクも高まってしまいます。
そのため早期発見・早期治療により、未然に防ぐことが重要です。
QOL向上に欠かせない診療科
代謝の働きを阻害する生活習慣病は、動脈硬化の危険因子とされているだけでなく、高齢者のQOLに大きな影響を及ぼします。
日本は超高齢化社会に突入しているため、生活習慣の見直しなどが必要といえるでしょう。
日常生活を快適に送るためには、長期間に渡って日常生活へ介入し、病態・病期に即した薬物治療なども必要となります。
そのためにも、地域全体で医療連携を推進していくなど、取り組みが必要となるでしょう。