内分泌外科とは?対象となる主な疾患の種類とその治療法について紹介
医師が診察する身体の部位や疾病は、診療科ごとに大きく異なります。
診療科は複数あるものの、それぞれどのようなときに受診すればよいのか迷うこともあるでしょう。
そこで、内分泌外科とはどのような診療科なのか、対象となる主な疾患の種類とその治療法について紹介していきます。
内分泌外科とは
「内分泌外科」とは、ホルモンを分泌する臓器が対象の診療科です。
甲状腺・副甲状腺・副腎・膵臓などの臓器が主な対象であり、疾患の診断と治療を行います。
臓器にできる腫瘍や、臓器がホルモン分泌過剰を引き起こすバセドウ病や原発性副甲状腺機能亢進症などの疾患が主な診療対象といえます。
内分泌外科で対象となる疾患
甲状腺疾患は見つからないまま放置されているケースもあるため注意が必要です。
内分泌外科では手術を必要とする疾患が対象ではあるものの、甲状腺のことで気になることがあれば対応する診療科でもあります。
対象となる疾患は、主の次の3つです。
・甲状腺がん
・バセドウ病
・原発性副甲状腺機能亢進症(副甲状腺腺腫)
それぞれ簡単に説明していきます。
甲状腺がん
甲状腺がんとは、甲状腺内にできる悪性腫瘍です。
他臓器の悪性腫瘍よりも悪性度は低めであるため、手術による腫瘍摘出が治療の第一選択といえます。
しかしがんの進行度や種類などで甲状腺を切除する範囲など異なるため、状況によって広範囲のリンパ節切除に及ぶ場合もあります。
また、放射線治療や薬物療法などの組み合わせで治療するケースもあるため、人それぞれといえるでしょう。
バセドウ病
バセドウ病とは、TSH受容体に対する抗体が体内で作られ、TSH受容体を刺激し続けることで甲状腺ホルモンが過剰に産生・分泌される病気です。
甲状腺機能亢進症の場合には、薬物療法でコントロールできることはあるものの、放射線治療や手術療法を選んだほうがよい場合もあります。
薬物療法で治療できない方のうち、バセドウ眼症が見られるなどで放射線治療が適さない場合には手術となります。
原発性副甲状腺機能亢進症(副甲状腺腺腫)
原発性副甲状腺機能亢進症(副甲状腺腺腫)は、副甲状腺にできた腺腫・がんなどの腫瘍・過形成などが、副甲状腺ホルモンを過剰分泌させて血液中のカルシウム濃度を必要以上に高くするため、いろいろな症状を引き起こします。
薬物療法で症状を抑えることができるものの、継続が難しいときや、根治的な治療が必要という場合には手術で副甲状腺の腫瘍を摘出します。