大腸外科とは?診察内容や消化器外科との違いについて簡単に解説
医師が診察する身体の部位や疾病は、診療科ごとに大きく異なります。
診療科は複数あるものの、それぞれどのようなときに受診すればよいのか迷うこともあるでしょう。
そこで、大腸外科とはどのような診療科なのか、診察内容や消化器外科との違いについて解説していきます。
大腸外科とは
「大腸外科」とは、小腸・結腸・直腸・肛門という管状の臓器の疾患に対応する診療科です。
特に40代から高齢になるほど増加傾向にある大腸がんを中心に扱うことが多く、がんの部位や進行度によって、内視鏡治療・手術治療・化学療法・放射線治療・対症療法を組み合わせた治療が行われます。
大腸外科は手術を軸としたマネジメントとなり、たとえばごく早期の大腸がんであれば、内視鏡を肛門から挿入してがんを切除します。
しかし内視鏡治療では適応できない進行がんや結腸・直腸がんについては、開腹手術・腹腔鏡下手術・ロボット支援手術で手術・治療を行うことになります。
消化器外科との違い
消化器外科とは、消化器内科同様、消化に関連する腹部の臓器を中心とした診療科です。
診療領域は、食道・胃・小腸・大腸など消化器内科と同じく食べ物の通り道となる消化管、そして胆のう・膵臓などの食べ物消化に関わる臓器や栄養を蓄える肝臓となります。
消化器に対する診療科が内科と外科に分かれているのは、消化器外科では手術がメインとなり、手術で治療できる疾患の診療を主に扱う傾向にあるからです。
消化器内科より対象疾患の範囲が狭くなることが特徴といえます。
主に消化器外科ではがんの診療を行うため、上部消化管なら食道がん・胃がん、下部消化管は大腸がん、胆のう・膵臓は胆道がん・膵臓がん、肝臓は肝細胞がんが治療の対象となります。
大腸に不安がある場合に受診する診療科
大腸に痛みを感じるときや、何らかの病気かもしれないと不安があるときには、まずは内科か消化器内科を受診しましょう。
女性で妊娠などの可能性がある場合には、産婦人科も選択肢に入ります。
ただし痛みが激しいときや、血便または黒色便、吐血などを伴う場合は緊急性が高いと判断されるため、救急外来を受診するべきといえます。
早期の大腸がんでは、ほとんど症状が見られませんが、だんだんと進行していくと血便や下痢を繰り返すようになることや、腹痛や貧血といった症状が見られるようになります。
上記の症状で大腸がんの不安がある場合などは、肛門科や消化器内科を受診したほうが安心です。