脊椎外科とは?診察内容や対象疾患などについて簡単に解説
医師が診察する身体の部位や疾病は、診療科ごとに大きく異なります。
診療科は複数あるものの、それぞれどのようなときに受診すればよいのか迷うこともあるでしょう。
そこで、脊椎外科とはどのような診療科なのか、診察内容や対象疾患について解説していきます。
脊柱外科とは
「脊椎」とは「背骨」のことであり、頚椎から腰椎・仙椎までの幅広い範囲のことです。
そのため脊柱外科とは、脊椎・脊髄疾患は、背骨やその中を通る神経に関する疾患を対象とします。
頸椎・胸椎・腰椎など首から腰まで幅広い部位に渡る場所に見られる、変性疾患・腫瘍・外傷・先天性疾患などが治療の対象です。
どの疾患を発症しているかによって異なるものの、手足のしびれ・痛み・腰痛・歩行障害などの症状が見られます。
高齢化に伴って脊椎に問題を抱える方は少なくなく、手術治療を必要とする方へ専門的な診療が行われます。
脊椎外科の特徴
脊椎外科では、脊椎疾患の専門外来を行います。
対象となる部位は、頚椎・胸椎・腰椎・仙椎・骨盤まですべての脊椎・脊髄の疾患です。
腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・骨粗鬆症性脊椎骨折などの比較的頻度の高い疾患や、高度な技術が必要になる成人脊柱変形(後弯・側弯・後側弯症)・脊髄腫瘍・後縦靭帯骨化症といった難治性疾患もその対象となります。
病態に応じた薬物療法や運動療法を行うことになりますが、脊椎から離れた上肢や下肢の痛みやしびれについては、原因がどこにあるのか的確に診断することが求められます。
脊椎外科の対象疾患
脊椎外科では、一般的な変性疾患として、次の疾患が対象となります。
【頸椎の対象】
・頚椎症性脊髄症
・頚椎症性神経根症
・頚椎椎間板ヘルニア
・頚椎症性筋萎縮症
など
【胸椎の対象】
・胸椎椎間板ヘルニア
・胸椎症性脊髄症
・狭窄症
など
【腰椎の対象】
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症(すべり症・分離すべり症含む)
など
【その他の対象】
・靭帯骨化症(頸椎・胸椎・腰椎の後縦靭帯・黄色靱帯骨化症)
・脊柱変形疾患(成人脊柱変形・変性側弯症・変性後弯症・思春期特発性側弯症)
・骨粗鬆症・それに伴う椎体骨折(脊椎圧迫骨折)
・化膿性脊椎炎・硬膜外膿瘍など感染性疾患
脊髄腫瘍、転移性脊椎腫瘍などの腫瘍性疾患
脊椎の骨折や脱臼などの外傷性疾患
その他(仙腸関節障害・環軸関節亜脱臼・特発性硬膜外血腫・びまん性特発性骨増殖症など)
があげられます。