コレステロールとは?役割や変更されている基準値について簡単に紹介
一定の年齢を超えると、健康診断などで「コレステロール」の数値が気になるものでしょう。
コレステロールは脂質の1つであり、増えすぎれば体に悪影響を及ぼします。
一定基準の定めがあり、2020年度は基準値が変更されているため注意が必要です。
そこで、コレステロールの役割や変更されている基準値について簡単に紹介していきます。
コレステロールとは
コレステロールとは、細胞膜・ホルモン・胆汁酸を形成するた物質であり、次の2つの種類があります。
・LDLコレステロール
・HDLコレステロール
LDLコレステロールは、肝臓で生成されたコレステロールを全身に運びます。
そのため増え過ぎてしまうと動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳梗塞を発生させてしまう悪玉コレステロールです。
もう一方のHDLコレステロールは、余分なコレステロールを回収するため、善玉コレステロールと呼ばれます。
通常、血液中のLDLコレステロールとHDLコレステロールは一定量に保たれています。
しかし何らかの要因でLDLコレステロールが過剰に増加すると、善玉コレステロールであるHDLコレステロールが減ってしまい、LDLコレステロールが血管に厚い動脈壁をつくります。
仮に血液の脂質が血管を傷つけた場合には、修復作業のために血小板が集まり、血栓をつくる原因となるでしょう。
できた血栓で血管が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞を起こすことになってしまいます。
コレステロールの役割
コレステロールは、次のような役割を担います。
・皮膚や髪を滑らかにする
・細胞膜・胆汁酸・ホルモンの原料になる
そのためコレステロールが不足すると、肌や髪がパサついてしまいます。
細菌などにも感染しやすくなり、もろくなった血管細胞で脳内出血など起こしやすくなる恐れも出てきます。
コレステロールの新たな基準
コレステロールの基準値は、以下のとおりです。
・総コレステロール…142-248 mg/dl
・LDL コレステロール…65-163 mg/dl
総コレステロールの従来までの基準値は128-220 mg/dlでしたが、142-248 mg/dlに変更されています。
LDL コレステロールも、70-139 mg/dlから65-163 mg/dlに変わっているため注意しましょう。
正常範囲が広がったわけではなく、あくまでも基準範囲です。
基準範囲がかわった理由として、全国の医療・保健機関で基準範囲が一定ではなかったことが挙げられます。
全国統計などにおいて不都合が発生していたため、どのエリアでいつ測定しても同じ基準で結果を評価するため基準が設けられたといえます。