介護福祉機器とは?介護施設で使用される医療機器との違いを紹介
介護福祉機器とは、疾患診断や治療を目的にした医療機器などではなく、たとえば介護施設の要介護者などの日常をサポートするための機器です。
介護福祉機器は、1993年に制定された福祉用具法で定義されている機器といえますが、一般の医療機器と何が異なるのでしょう。
そこで、介護福祉機器について、介護施設で使用される医療機器との違いを紹介します。
介護施設の医療機器とは
介護施設の医療機器には、たとえば疾患を診断・治療することが目的のものもあれば、要介護者や心身障害者の日常生活を支援する目的のものもあります。
まず、疾患の診断・治療を目的の医療機器は以下のとおりです。
・ホルター心電図検査機器
・血圧検査機器
・聴診器
・パルスオキシメータ
日常生活を支援することが目的の医療機器は、以下の種類があります。
・入浴装置
・ベッド・マットレス
・歩行支援機器
・見守り支援ロボット
・移乗サポートロボット
・排泄支援機器
・施設内通信機器
医療機器は、人体に与えるリスクに応じて以下の3つに分類されます。
・高度管理医療機器
・管理医療機器
・一般医療機器
さらに保守点検や修理などの管理において、専門的な知識・技能が必要な「特定保守管理医療機器」がありますが、厚生労働大臣が指定していることが特徴です。
医療機器と介護福祉機器の違い
医療機器と介護福祉機器の違いは以下のとおりです。
・医療機器…疾患の診断・治療が目的の機器
・介護福祉機器…要介護者・心身障害者などの日常生活において便宜を図る目的の機器
医療機器は医師や技師が不特定多数の患者へ使用するため、有用であれば高額機器でも普及しやすいことが特徴です。
しかし介護福祉機器は、特定の介護者や要介護者など個人的な使用が前提となるため、確認も限界があるという違いもあります。
介護福祉機器は、先天的な原因や高齢化などによる後天的な外傷・疾病で生じた精神的・身体的な不具合を補てんするための用具・設備機器とされています。
介護や介助を必要とする方の日常生活や機能訓練を支援する用具や機器であり、いろいろな種類があるものの、主に以下の4つが該当します。
・入浴装置(専用のストレッチャーや担架で連結した浴槽に寝たままの姿勢で入浴することができる機器)
・歩行・リハビリ支援機器(筋力の低下などで歩行が不安定な方が歩くことをサポートする機器)
・見守り支援ロボット(センサーをマットレスの下に置き、転倒や徘徊を防止できるロボット)
・移乗サポートロボット(一人で立ち上がりが難しい方の移乗を手助けするロボットで、抱え上げ式からリフト式などの種類あり)