人工呼吸器とは?使用目的や適応となる病態・メリットとデメリットを解説

生体現象測定記録・監視用機器

人工呼吸器とは、空気中の酸素よりも高い濃度の酸素を肺へ送り、高い圧をかけて肺を拡大し呼吸を助ける医療機器です。

肺を休める役割を担い、人の呼吸運動を助ける医療機器ともいえます。

人工呼吸器が必要になるケースは様々ですが、適応される病態などによって使用の目的は異なります。

そこで、人工呼吸器について、使用目的や適応となる病態、使用することによるメリットとデメリットを解説します。

 

人工呼吸器とは

「人工呼吸器」とは、呼吸の補助や人工的に呼吸を行わせる医療機器であり、生命維持を目的で使用されます。

主に以下の役割を担い、患者の疾患の具合でいろいろな働きをします。

・肺胞換気の維持

・酸素化の改善

・呼吸仕事量の軽減

など

人工呼吸器は機械のため、使用状況や利用頻度に応じて寿命が変動します。

そのため保守・メンテナンスが正しく実施されていれば、10年以上使用することもできます。

 

人工呼吸器の使用目的

人工呼吸器の「使用目的」は、以下の状態を解決するためです。

・外気と肺のガス交換ができない肺胞低換気である

・肺胞と肺毛細血管のガス交換が低下したため血液の酸素化が下がっている

・呼吸不全(肺炎・喘息・COPD等)の状態である

・循環障害(うっ血性心不全・心筋梗塞等)を抱えている

・意識障害(気道確保)を抱えている

・手術後である

・胸部外傷がある

・その他重症疾患を抱えている

人工呼吸器は生命維持装置であるため、取り扱いや保守管理は適切に行わなければなりません。

 

人工呼吸器のメリット

人工呼吸器は、呼吸補助や代行を行う医療機器であり、人の生命を維持することが目的です。

そのため人工呼吸器を使用することで、以下のメリットがあるといえます。

・危機的な状態を一時的に回避できる

・病気の治療の時間を延ばすことができる

・急激な病状の変化で止まった呼吸を助け蘇生の機会を得ることができる

 

人工呼吸器のデメリット

人工呼吸器により、生命維持が可能となりますが、以下のデメリットには留意が必要です。

・管が喉を通り気管まで入るため苦しさを感じる

・声が出せなくなる

・食べ物を食べることや飲み物を飲みことができなくなる

・胸郭が広がっていない状態でガスを口から押し込むため、肺損傷や横隔膜の筋力低下などのリスクが上がる

以上のことから、人工呼吸器を使用する時間は、できる限り必要最小限にとどめることが必要となります。

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