歯科用金合金とは?銀合金と金銀パラジウムの違いや種類を簡単に解説

生体現象測定記録・監視用機器

歯科用合金とは、歯の治療の際に使用する金属の合金です。

入れ歯・詰め物・被せ物・ブリッジなどに使われます。

歯科用合金には、金・白金・パラジウム・銀の貴金属が主成分のものもあれば、銅・鉄・亜鉛・インジウムなどの金属を微量に含んだものもあります。

そこで、歯科用合金について、銀合金と金銀パラジウムの違いや種類を簡単に解説します。

 

歯科用金合金とは

歯科用金合金とは、金合金や白金加金などの貴金属を材料とした、被せ物(クラウン)や部分修復(インレー)です。

馴染みのある呼び方では、金歯と呼ばれており、金属のため審美的な問題はあるものの加工精度が高く金属もほぼ錆びることはありません。

 

銀合金と金銀パラジウム合金の違い

銀合金と金銀パラジウム合金と比べた場合の、銀合金の特徴として以下が挙げられます。

・物性が金銀パラジウム合金に劣る

・耐食性が金銀パラジウム合金に劣る

 

物性が金銀パラジウム合金に劣る

銀合金と金銀パラジウム合金と比べた場合、硬さや引張強さ、伸びなどの物性は金銀パラジウム合金のほうが優れています。

銀合金は金銀パラジウム合金よりも強度が低く、脆いことが特徴です。

 

耐食性が金銀パラジウム合金に劣る

銀合金は、金を含有せずに白金族元素の含有率が低いため、金銀パラジウム合金と比較して耐食性に劣るといえます。

そのため、銀合金は金銀パラジウム合金と比較すると、変色しやすいことが特徴です。

 

銀合金の種類

歯科鋳造用の銀合金には、第1種と第2種など2つの種類があります。

第1種…銀が60%以上で、金や白金族元素を含有せず、インジウムが5%未満

第2種…銀が60%以上で、金を含有せず、白金族元素が10%以下で、インジウムは5%以上

引張強さと伸びにおいて、第2種はJIS規格で規定されているものの、第1種は規定はされていません。

 

銀合金が黒変する原因

銀合金が黒変する原因は、主成分である銀が硫化するためです。

硫化により、黒く変色します。

温泉に付けると銀のアクセサリーが黒く変色することがあるように、歯科鋳造用銀合金も耐食性は良好と言えません。

 

銀合金の使用における留意点

銀合金を使用する場合の留意点として、以下が挙げられます。

・太さや厚みを確保すること

・ろう付けでの修正は避けること

 

太さや厚みを確保すること

銀合金は脆い材料であるため、金銀パラジウム合金を使う場合よりも厚めに製作することが必要です。

強度を重視する部位のときや、パラファンクションなどの口腔習癖のある症例では、通常より厚めに製作することが求められます。

 

ろう付けでの修正は避けること

銀合金の専用ろう材は、小さな穴埋めのみの使用となります。

そのため強度のかかる連結などに使うことはできないと理解しておきましょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧