人工骨頭とは?人工骨頭置換術の目的やメリットを簡単に紹介

人工骨頭とは、大腿骨の骨頭を置き換えるため、セラミックなどで作った人工の骨です。
金属・セラミック・プラスチックなどの素材による人工の骨頭で、人工骨頭置換術(BHA)とも呼ばれます。
年齢を重ねれば運動能力も低下するため、転倒リスクが高まります。
同時に骨密度も下がるため、骨粗鬆症を原因として太もも付け根の大腿骨頸部骨折などが増えます。
ギプスを1か月程度巻くことが必要になるため、人工骨頭を使用すれば当日から歩行できる場合もあります。
そこで、人工骨頭について、人工骨頭置換術の目的やメリットを簡単に紹介します。
人工骨頭とは
人工骨頭とは、大腿骨の太ももの付け根の骨を、人工の骨頭で置き換えたものです。
股関節の形状は、ボールと受け皿の構造となっており、太ももの大腿骨の骨頭が骨盤の寛骨臼にはまり込んでいます。
ボール&ソケットの形状をしていることが特徴といえますが、大腿骨頭に障害が発生したときに、金属・セラミック・プラスチックなどで作った人工骨頭を代わりとして使います。
人工骨頭置換術とは
人工骨頭置換術は、大腿骨頭を切除して人工骨頭へと置き換える手術です。
置き換え用の人工骨頭は、生体材料として信頼性の高いチタン合金・コバルトクロム合金などの金属や、ポリエチレンなどのプラスチックにセラミックなど、摩耗と耐久性を強化した材質で作られています。
人工股関節全置換術では、骨盤側の骨も併せて人工関節へ置き換えます。
それに対し人工骨頭置換術は、骨盤側には手を加えることなく、骨頭だけを人工関節へ置換することが特徴です。
人工骨頭置換術(BHA)の目的
人工骨頭置換術(BHA)の目的は、太ももつけ根の大腿骨頭の骨折や壊死を治療し、痛みを感じない関節で体重を支えることといえます。
複雑な骨折である大腿骨頸部骨折や骨の大きなズレのある部分に、人工骨頭置換術を行うことで早めに体重をかけて歩くことが可能となります。
人工骨頭置換術(BHA)では、何らかの原因で大腿骨頚部内側骨折や大腿骨頭が壊死したときに、大腿骨頭を切除してセラミックや金属で作った骨頭で置換します。
人工骨頭置換術のメリット
人工骨頭置換術(BHA)のメリットは、早期の手術で日常生活を取り戻し、復帰を早められます。
大腿骨頚部内側骨折や大腿骨頭壊死などで損傷した大腿骨頭を切除し、人工骨頭に置き換えますが、メリットは以下の6つです。
・大幅に痛みが緩和される
・よい姿勢を保てる
・日常生活に早期復帰ができる
・寝たきりにならずに済む
・入院期間を短縮できる
・他の関節にかかる負担を軽減できる