【歪み】mri測定の環境設定について

生体現象測定記録・監視用機器

mri検査(MagneticResonanceImaging:磁気共鳴画像診断装置)は強力な磁力の筒(ガントリ)内に入り、磁力を利用して身体のあらゆる部分の断層撮影を行うことができる機器です。
この「磁力」というエネルギーがポイントで、適切な環境や検査方法を守らなければ画像に歪みを生じてしまい正確な検査を行うことができません。今回はmri検査において歪みを生じさせないための環境設定などを紹介していきます。

○mri装置を設置するための基本構造

mri装置で利用される磁石は磁場が均一に保たれています。そのため、何らかの原因でこの磁場が乱れる場合には正しく測定ができなくなり画像の歪みや機器の故障原因となります。
mriの磁場は高電圧や高電源などの環境により磁場が乱れる可能性があるため、電車や自動車、送電線や高架などに影響を受けます。そのため、mri検査室は道路や線路に面した位置は適切ではありません。mri装置を設置する検査室は事前に環境調査を行う必要があります。
mri装置のハード面としてはmri検査室・操作室・前室・機械室という構成になります。

○mri装置設置に関する基準について

mri装置設置に関する基準は以下の通りです。
①mri検査室の磁気シールド性能が適切であること

②mri検査室の電波シールド性能が適切であること

③mri装置の重量に耐えられる床強度が確保されていること

④定められた立入制限区域以上の漏洩磁場強度領域がmri施設よりも外側にある場合においては安全表示がされてあること

⑤超電導タイプのマグネットの場合、酸素モニターと緊急排気装置が備わっていること
※超電導タイプのマグネット…mri装置で最も使用されることの多いマグネット。冷却することで導線の電気抵抗がゼロになるため、永久的に一定の磁場をつくり出すことが可能。

⑥mri検査室・操作室・前室・機械室において温度・湿度がメーカーで指定している基準を満たしていること

⑦機械室に適切な給水設備が備わっていること

⑧mri検査室の近くにエレベーターや駐車場など外来磁場変動が起こる可能性がある要素の確認

⑨mri検査室の換気システムが適切に備わっていること

⑩照明や投光器など適切な輝度を維持できていること

⑪ヘリウム排気口付近の環境が適切であること(障害物を配置していないか)

⑫感染症対策におけるマニュアルが作成されており、マニュアルに準じた対策が実施されていること

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