心電図使用の新たなガイドライン内容について

生体現象測定記録・監視用機器

小さな手術であったとしても心エコーや心電図をとることがありますが、心電図などがどこまで必要なのか判断に困るケースがあります。

そのような場合に備えて心臓手術以外の手術時にどの程度心電図などが必要か定めたガイドラインが存在しています。

今回このガイドラインについて紹介したいと思います。

【評価基準】

推奨度:クラス1「すべき状態」
推奨度:クラス2A「推奨」
推奨度:クラス2B「考慮してよい」
推奨度:クラス3「利益なし又は害」

【評価】

ここでは「12誘導心電図」、また「運動負荷心電図」がどのような状況でどの程度必要とされるかその評価について紹介したいと思います。

・12誘導心電図
低リスク手術における常習的な12誘導心電図の使用
推奨度:クラス3
※ここでいう低リスク手術とは心イベント、あるいは死亡リスクが1%未満の手術のことを指します。(例えば白内障の手術などが該当します。)

既知の冠動脈疾患あるいは器質的心疾患のある人、ただし低リスク手術を除く
推奨度:クラス2A

無症候性患者、ただし低リスク手術を除く
推奨度:クラス2B

・運動負荷心電図
低リスク手術への常習的な運動負荷心電図
推奨度:クラス3

高リスクで心機能の良い患者
推奨度:クラス2A

高リスクで心機能不明患者
推奨度:クラス2B

高リスクで心機能中~良
推奨度:クラス2B

高リスクで心機能低下又は不明
推奨度:クラス2B

【心電図以外の評価】

ここでは心エコーなどの左室機能評価についてのケース別推奨度について紹介したいと思います。

・心エコーなどの左室機能評価
原因不明の息切れ
推奨度:クラス2A

臨床的に安定している患者の再評価
推奨度:クラス2B

常習的な左室機能評価
推奨度:クラス3

臨床状態の変化する心不全又は呼吸困難を有する患者
推奨度:クラス2A

【ガイドラインのまとめ】

新しい心電図のガイドラインでは低リスクの手術の場合、心電図をとらない方向が推奨されていて、また心エコーや運動負荷も控えた方がいよいという流れになっています。

しかし日本の現場ではまだまだ「何かあったときのため」、「念のため」に心電図をとるケースが多く、そのためにかかるコストも莫大だと言えます。

このガイドラインは低リスク手術時にこのような検査を省くための新しい枠組みということができます。

【まとめ】

いかがだったでしょうか?これらの心臓関係の学会から発表されるガイドラインは国際的にみた場合と日本国内での実情とにまだまだ乖離した部分があり、ガイドラインをもとにした今後一層の整備が求められます。一つ参考にしてみてください。

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