MRI画像で脂肪はなぜ白く写る?

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
MRIは磁気共鳴画像を取得する際に用いられる装置のことで、撮影の原理としては体内の水素原子核が発する信号を読み取ることで磁場のなかの画像が取得できる仕組みとなっています。
今回はMRIで「脂肪」の画像を取得するときの概要について説明してまいります。

【T1強調画像・T2強調画像とは?】

MRIでは基本的に「T1強調画像・T2強調画像」の2種類の画像をセットで撮影することになります。

この2種の画像は身体内で強調される箇所が異なるためそれぞれの画像によって各組織の特定が可能となります。

・T1強調画像
この画像の場合、主に脂肪組織は白く見え水や液性成分は黒く写ります。
また腫瘍などがある場合にはやや黒くなります。

この画像の特徴としては身体の解剖学的な構造が見やすい点が挙げられます。

・T2強調画像
脂肪組織だけでなく、水や液性成分、嚢胞なども白く写ります。
この場合腫瘍などはやや白く写ります。
T2強調画像の特徴は病変などが白く強調されるため、病気の発見などに役立つ点が挙げられます。

【画像の色の原理とは】

MRIはプロトンと呼ばれる「H+」を画像化したものになります。
プロトンの存在は物質によって異なり、プロトンがどの程度存在するかによって白く写るのか黒くなるのかが決定してきます。

・脂肪の場合
脂肪は炭素と水素の塊のようなものです。
そのため(H+)であるプロトンも多く存在していて、白く写ることになります。

・水の場合
水の場合も水素と酸素元素からできているためプロトンが多いです。
水の場合MRIではやや白く写ります。

・空気の場合
空気は酸素と窒素からなるためプロトンがほとんど存在していません。
そのためMRIで画像を取得すると黒く写ります。

【脂肪抑制法とは】

MRIの画像取得技術の一つである「脂肪抑制法」は脂肪成分を低信号として描出することで他の組織、目的部位の感度向上、より鮮明な画像の取得に役立つとされています。

難しい説明になるため、詳しくは割愛しますが、「脂肪抑制法」には以下の4種類あります。

・周波数差
・位相差法
・T1緩和時間差法
・その他

頭の隅にでも入れておいてください。

【まとめ】

いかがでしたか?MRIの仕組みや脂肪などの成分が「なぜ白く写ったりするか」などについて理解できたでしょうか?
ただ今回お伝えした内容はMRIの説明のほんの一部でしかないのでそれ以外の内容については別の場所でお伝えできればと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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