ホルター心電図の目的と検査でわかること

生体現象測定記録・監視用機器

一般的な心電図は「標準12誘導心電図」と呼ばれます。虚血性変化の検査に優れており、心不全や狭心症、不整脈の診断に役立ちます。この標準12誘導心電図は身体に12個の電極を装着して安静状態で検査を行います。
一方でホルター心電図とは、小型の検査機器を身につけて24時間の中で不整脈や心拍数、胸痛や動悸などの自覚症状が起こったときの心電図の様子などを記録・解析するための検査です。
不整脈や冠動脈の痙攣は運動時の他にも早朝や夜間にみられることがあります。これは短時間での心電図検査をしても発見できないことがあります。
そこで日常生活の中で心電図を継続的に記録することで通常の安静時心電図では検出できない一過性の症状を記録し、病気の診断をすることができるのです。
このホルター心電図は「24時間心電図記録法」を発表したホルター博士の名前に由来しています。

○ホルター心電図の検査方法
ホルター心電図は一般的な心電図と同様に12誘導で検査をする機種もありますが、
ST変化など虚血性病変を検出するための誘導であるCM5と不整脈の解析に役立つNASAという2つの誘導で行うことが主流です
装着方法は、胸に電極を取り付けて小型の機器(心電計)を腰バンドに固定するか、首からぶら下げておきます。電極を胸部に貼り付けて24時間装着して心電図を検査します。
心電計にはボタンがついており、胸痛や動悸、めまい、痙攣などの自覚症状が出現した場合にはボタンを押して記録することで心電計の波形と自覚症状を比べることができます。
ホルター心電図の検査中は基本的に入浴することができませんが、最新の機器ではシャワー程度の水濡れであれば問題ないタイプもあります。
また、冬場などに電気毛布を使用すると放射雑音と呼ばれるパルス性の雑音が入り、正しく検査できない場合があります。同様に携帯電話も雑音が入るため使用することはNGになります。

○ホルター心電図でわかること
ホルター心電図では日常生活で不整脈や心筋機能に異常があるかどうか、そして症状が心臓に由来しているのかどうかを鑑別することができます。この他には不整脈の種類やペースメーカー機能の確認、薬物療法の評価を行うこともあります。この検査によって発作性の頻拍症、心房細動、期外収縮、狭心症などの診断が可能です。
最近の機器は心電図の波形から呼吸状態が分かるため睡眠時の無呼吸などを発見することも出来る様になりました。

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