MRIにおけるバンド幅とは?

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
MRI検査は磁気と電波を使い体内にある水素原子の動きから断層を撮影し、異常や病気を見つける検査です。
似た検査にCT検査(CTスキャン)がありますが、これは磁気ではなく放射線で体内の断層を撮影します。
MRIではバンド幅という言葉が出てきます。今回はそのことについて説明したいと思います。

【バンド幅とは】

バンド幅、または帯域幅といいます。
バンド幅とは磁気が出す周波数の範囲を指します。バンド幅が広い、狭いなどというふうに使われますが、言葉の印象とは異なり「バンド幅が広い」という場合はデータの読み取り時間は短くなり、「バント幅が狭い」という場合データの読み取り時間は長くなります。

【バンド幅が広い・狭いとどうなるの?】

・バンド幅が広い場合
このとき、データの読み取り時間が短くなります。患者さんにとっても検査時間が短いのは負担が減り良いことです。
しかし、たくさんデータを収集した方が正確な情報が得られやすいのでバンド幅が狭い=データの読み取り時間が長いときより不正確な情報になること(ノイズが多い)がデメリットです。
ですがケミカルシフトアーチファクトとモーションアーチファクトに邪魔されにくくなるというメリットがあります。この2つについては後述します。

・バンド幅が狭い場合
このとき、データの読み取り時間が長くなります。患者さんにとっても検査時間が長くなるのでその分負担があります。
しかし、データはたくさん収集できるのでバンド幅が広い=データの読み取り時間が短いときより正確な情報を得ることができるというメリットがあります。
しかし、ケミカルシフトアーチファクトとモーションアーチファクトが起こりやすくなるというデメリットがあります。

・ケミカルシフトアーチファクト
ケミカルシフトと呼ぶ場合もあります。脂肪の位置がずれてしまうことをいいます。
MRIは人の体内にある水分を利用します。検査の仕方を変えることにより体内の水分を含む空間や水分を含まない空間を撮影することで画像化されます。

・モーションアーチファクト
患者さんが動いてしまうことで正確なデータが採れないことをいいます。

【まとめ】

MRIのバンド幅については大ざっぱな説明になりましたが、おわかりいただけたでしょうか。実際はもっと専門用語が使われた複雑な説明になります。
バンド幅が広い・狭いについては、どちらも一長一短があるので、患者さんの状態に合わせ医師の判断で検査は行われます。

ピックアップ記事

関連記事一覧