人工呼吸器装着の時に観察するべき項目について

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
人工呼吸器は装着した患者さんの呼吸を換気する役目のある生命維持装置です。
ですから人工呼吸器のトラブルは致命的な結果になることもあり取り扱いには十分注意しなければいけません。

今回、人工呼吸器自体の観察項目、それから人工呼吸器を装着した患者さんの観察項目についてお伝えしていきます。

【換気モードを変えると観察すべき項目も変わる!?】

人工呼吸器を装着する患者さんの状態は様々です。
自発的な呼吸ができる患者さんもいれば、人工呼吸器なしではほとんど呼吸ができない患者さんもいます。そこでこれらの状態に合わせて人工呼吸器の換気モードを変える必要が出てきます。

また換気モードを変えることによって人工呼吸器自体の観察項目も異なってきます。
例えば、患者さんに合わせた換気モードに設定し、酸素吸入濃度や一回の換気量、呼吸回数、気道内圧、吸気量などの項目を確認する必要が出てきます。さらに問題が生じないように予め患者さん側のモニタリングを行い、その内容をアセスメントすることで万が一に備えた対応が万全となります。

【患者さんの観察項目】

患者さんの観察項目として重要なのは以下の5点です。

・まず、薬剤によって患者さんの鎮静状態が管理されている場合には鎮静スケールを使って鎮静レベルがどれくらいなのかを確認する必要があります。

・次に、陽圧換気による障害が起きていないかを確認するためにバイタルサインを読み取ります。この時瞳孔所見の確認、また頭蓋内圧が亢進していないかなどがチェック項目となります。

・さらに、挿管チューブにずれがないか、カフ圧が維持されているかなどの点も重要なチェック項目です。

・4つ目が口腔ケア、尿量などの確認です。
チェックする内容としては口の中に潰瘍ができていないか、歯牙に欠損がないか、痰の分泌は適正量で性状に問題ないか、呼吸音に問題はないかなどになります。それから尿のチェックの際には必要に応じて利尿剤を使用することもあります。この場合医師からの指示に従いましょう。
また、合わせて便の性状や腸の動音の確認も行いましょう。

・最後に、自己抜管がないように抑制がされている場合には適切に抑制されているか過剰な抑制ではないかなど確認しましょう。また、合わせて床ずれの確認もするとよいでしょう。

【まとめ】

いかがでしたか?人工呼吸器を装着している患者さんは上手く話すことができないケースがほとんどですので体や表情を詳細に観察し患者さんの状態、どこに問題があるかなどを読み取ることが大切です。ぜひ医療の現場で役立てていただきたいです。

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