麻酔器の構造・原理について

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
手術や長時間の治療などに使われる麻酔器は医療に携わる方にとってなくてはならないものです。
今回、麻酔器の構造・原理についてまとめてみました。

【麻酔は大きく2種類ある】

麻酔には大きく分けて「局所麻酔」と「全身麻酔」の2種類あります。

局所麻酔は歯医者などで使用されることが多く、私たちにもなじみあるものといえるかもしれません。
一方、全身麻酔には以下4つの役割があります。

1.患者が痛みを感じないようにする
2.意識がない状態にする
3.筋肉を弛緩させる
4.手術による反射を防ぐ

さらに、このような全身麻酔をする際の麻酔器の使用法には「静脈麻酔法」と「吸引麻酔法」の2種類に分けられ、いずれの場合にも酸素の供給が不可欠となります。

【麻酔器の構造】

麻酔器の構造は大きく2種類に分けられます。
まず、一つ目が「ガス供給装置」という部分ですが、この部分では麻酔薬を気化させて酸素や笑気ガスと混ぜ合わせ麻酔用のガスを生成する役割があります。
「ガス供給部分」をさらに細かく分類すると流量計、気化器に分類することができ、両者の役割は以下のようになっています。

・流量計
主に酸素と笑気の混合気を生成するのが目的です。空気やその他ガスの流量計を備えた方が良いケースもあります。

・気化器
流量計で生成された混合気を揮発性吸引麻酔薬と混ぜ合わせて、希望する濃さのガスを得るのが目的です。

この「ガス供給部分」では、酸素、亜酸化窒素と空気を混ぜ合わせ、流量計で調節した後、気化器でガス化するのが主な役割といえます。

次に「呼吸回路部分」では「ガス供給装置」で生成されたガスを患者さんに供給し、患者さんが吐き出したガスを循環させる役割を担っています。

また、この呼吸器回路部分では「APLバルブ」というバルブを調整しながら、患者さんが吐き出したガスを余剰麻酔ガス排出装置へ送り込む役割もあります。

さらに患者さんが吐き出したガスは「カニスタ」と呼ばれる二酸化炭素吸収装置へ送り込まれ、ガスが滞りなく循環するように工夫されています。
最後に、最近の麻酔器は人工呼吸器と併用されることが多いという点にも触れておきたいと思います。

【おわりに】

いかがでしたか?
今回紹介した機器のほかにも麻酔器には「ユニット」と呼ばれる部分的な外部オプション機器も多数あり、必要に応じて備え付けた方が望ましいケースもあります。
安全で正確な現場の稼働ができるよう参考にしてみて下さい。

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