進化するファイバースコープの洗浄機

診断用機器

【はじめに】
ファイバースコープは患者さんの主に鼻や口から入れ、体内を見る医療機器です。
ファイバースコープ(内視鏡)を洗浄するのには今まで人が手動で行ってきました。
しかし、最近では全自動で機械によって洗浄できる商品が開発されるなど進化が進んでいます。
今回はファイバースコープの洗浄、洗浄機についてお話したいと思います。

【なぜ洗浄が必要なのか】

ファイバースコープを患者さんに使うとき、雑菌などを患者さんの体内に入れないようにするのを始め、使用後は患者さんの粘液、血液などが付着することがあるため洗浄が必要になります。
洗浄が十分に行われないと、その汚染物がファイバースコープに固く付着してしまったり、レンズが汚れたりしてしまいます。その結果診断が正しく出せなかったり、付着した物質によって他の患者さんや医療スタッフへ病原菌などが感染する恐れがあります。

【全自動洗浄機の登場】

現在、ファイバースコープの全自動洗浄機も登場し、洗浄・すすぎをボタン一つで行うことができるようになりました。鼻咽喉用、気管支用、上部消化器や大腸用、泌尿器用などさまざまな用途に合わせたそれぞれのファイバースコープをその種類専門の洗浄機で洗浄することができます。

【ベッドサイドでの洗浄、消毒】

ファイバースコープを患者さんに使用したあとすぐ汚れを拭き取る「ベッドサイドでの洗浄、消毒(処置)」と呼ばれる作業があります。これはたとえ全自動洗浄機を取り入れていてもその洗浄前にこの作業を行わなくてはいけません。
その内容は、ファイバースコープの表面についた粘液、血液などを濡れたガーゼで拭き取ります。そして200ml以上の酸素系洗浄液でファイバースコープの中を洗浄します。
それから全自動洗浄機にかけるのですが、これを手動でやると多くの段取りがあるため洗浄機の登場は洗浄する時間の短縮や医療スタッフの負担軽減に大きく役立っています。

【洗浄機のメンテナンス】

全自動だからといって洗浄機を過信してはいけません。
繰り返し使用するタイプの消毒液だと使用するたびに濃度が低下して洗浄力が落ちたりする危険があったり、洗浄機自体が汚れてしまうと洗浄しても意味がありません。
そのために一回きり使い捨てタイプの洗浄液を使用したり、定期メンテナンスを業者さんにお願いするなど、なるべく洗浄力を落とさないようにする注意が必要です。

【まとめ】

ファイバースコープは大変便利なものですが、患者さんの体内に使用するため常に清潔な状態を保つ必要があります。その上で全自動洗浄機はとても役立つものですが、いつ洗浄したか、いつメンテナンスが行われたか、洗浄機が使われて何年かという管理を欠かさず記録していきましょう。もし、万が一洗浄後に汚れが残った場合は、その原因を必ずつきとめなくてはいけません。
医療機器の洗浄も医療事故を防ぐとても大切な工程なのです。

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