mri検査で用いられる造影剤と絶食時間は?
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置)は筒状の機器内で人体に電磁波を当てて断層撮影をする検査です。
さまざまな病変の検出に優れており、特に脳や脊椎、膝関節や肩関節、卵巣や前立腺の検査に用いられます。
乳がんの検査ではマンモグラフィでは検出ができない病巣も発見できる可能性があるという報告もあり、現在でも研究が進んでいます。
mri検査ではその目的によって「造影剤」を使用する場合もあります。
○造影剤とは?
造影剤とは、画像診断において画像に白黒の差(コントラスト)を付けて所見を明確にしたり、目的とする臓器を強調させたりする目的に投与される医薬品全体のことです。
CTやMRIで使用される造影剤は静脈注射で投与し、血管造影検査ではカテーテルを使用して直接血管内に投与します。
胃や大腸の検査ではバリウムを使用して経口、経肛門など目的とする臓器に直接投与されます。
造影CT検査ではヨードを含む造影剤が使用されます。
軽い副作用(3〜5%以下)では吐き気や嘔吐、めまい、頭痛、かゆみ、発疹、発熱、咳などがみられます。
重篤な副作用では(約2500人に1人)ではアナフィラキシーショック様反応が起こる可能性もあります。
食道や胃、大腸検査に多く用いられるバリウムは消化管に投与するため比較的安全と言われていますが、肺炎や腹膜炎を起こすリスクもあります。
○mri用造影剤と絶食時間
mri造影剤はガドリニウム製剤、SPIO(超常磁性酸化鉄)、経口消化管造影剤などが使用されます。
造影MRI検査は一般的に部位に関わらず検査4時間前から絶食となります。(水やお茶であれば飲水可能。)
●ガドリニウム製剤
鉄を含んだガドリニウム製剤を血管内に投与することで病変の検出や性状の確認をすることができます。
ヨード造影剤に比べて副作用の発生頻度は低いですが、吐き気や嘔吐、蕁麻疹や発疹、重篤な場合にはアナフィラキシーショック様反応などの副作用が起こるリスクがあります。
ガドリニウム製剤についての取り扱いについては厚生労働省の医薬安全対策課からも注意事項が発表されています。
→こちらからダウンロード(pdf形式)
●SPIO(超常磁性酸化鉄)
肝臓の検査によく使用される造影剤です。
主に転移性腫瘍の検出を目的として使用されます。
副作用は少ないですが、吐き気や嘔吐、頭痛の他にも滴静注投与中に腰痛が起こることもあります。
●MRI経口消化管造影剤
腸管内の検査によく使用される造影剤です。
特に胆道系の検査を目的に使用されます。
鉄分アレルギーがある方には注意が必要です。