水銀血圧計製造中止｜気になる電子血圧計の精度

2021年より、「水銀に関する水俣条約」の効力が発生することに伴い、水銀血圧計の製造及び販売と輸出入が禁止されます。とりわけ看護職にある方は、身近なツールであるだけに、今後の取扱いも気になるところでしょう。

血圧計の精度 水銀VSアネロイドVS電子

血圧計にはコロトコフ音を聴いて測定する水銀式と、アネロイド式と、センサーで測定する電子式血圧計があります。

水銀血圧計

水銀血圧計は100年以上前から長きにわたって使用されていて、様々な種類がある血圧計の中でも最も精度が高いといわれており、日本高血圧学会でも医療機関での使用が推奨されているタイプです。

しかし、「水銀に関する水俣条約」が発効されることで、現在医療現場で使われている水銀血圧計を直ちに廃棄する必要はないのですが、新たに水銀血圧計を導入しない方向に動いています。

アネロイド血圧計

アネロイド血圧計の「アネロイド」とは、ギリシャ語で「液体を使用しない」という意味で、液体(水銀)を使わないタイプとなります。血管を圧迫する力を円形の目盛りがついている針を回す力に置き換えるため、針が目盛りを指して測定する仕組みとなっていて、測定方法も水銀血圧計と似た、上腕に巻きつけた方法になります。

水銀血圧計に比べ、価格の安さと測定場所を選ばない使いやすさで、医療現場でも取り入れられています。

しかし、経年劣化により測定値に変化が出る可能性もあることから、精度のことを考えると、長期間使用する際は正確性を確認しておく必要があります。

電子血圧計

病院で血圧を測るときと同じように、カフを二の腕に巻きつけたり、機械に二の腕を挿入して血圧を測る方法になるのですが、血圧測定のレクチャーを受けた人が計測しなくても、自動で血圧を測定してくれるので、診察時の待合室で計測できるのがメリットです。

但し、上腕式、手首式、指式と色々な種類があるのですが、上腕式以外に関しては、精度にブレが生じるといわれています。これは、測り方による影響を受けやすいことが要因の一つとして挙げられています。必ず説明書で血圧計の使い方を確認して計測するようにしましょう。

水銀血圧計・アネロイド血圧計・電子血圧計をそれぞれみてみると、精度に関しては水銀血圧計の方が医療の現場には適しているといえます。一昔前までは、体温計も水銀のタイプを使用していましたが、今では電子体温計に変わっています。このように、時代の流れで器具も変わっていくことでしょう。

まとめ

血圧の高い人は、自宅でも血圧測定をするよう医師にいわれており、電子血圧計があることで、自分でも血圧を測ることができるようになりました。これまで精度は、水銀式とのブレが若干あったものの、開発努力から電子血圧計の精度は、これから更に上がっていくことでしょう。