CT装置の原理とは何か?

診断用機器

病院などで使用されているCT装置、体の中をスライスしたような画像が撮れるのは皆さんご存知ですよね。レントゲンとは異なり、さらに詳細なものを必要とした際に撮影されます。では、「そのCT装置の原理とはいかなるものか?」知っているようで知らない、原理についてご紹介していきましょう。

はじめにX線ついて

X線の発生はX線管(管球)から生み出されますが、その内部にはプラス極とマイナス極があり高い真空で保たれています。電流を流す事でマイナス極にあるタングステンフィラメントから熱電子を放ちます。

発生した熱電子を集束カップと呼ばれるもので集め、管電圧によって加速(印加)します。そして、加速させた熱電子を陽極側のターゲットマテリアルに衝突させることでX線が生まれます。

CT装置とは

CT装置はどのような仕組みになっているのかというと、CTの内部には先ほど説明しましたX線管が装備されており、ここからX線が照射されます。その向かい側には検出器があり、その部分に受取る部分があり、照射されたX線は体を通過後にこの検出器という部分に入ります。

レントゲンとは異なり、CTではX線源と検出器を被写体を廻るようにして360度からX線透過像をデータとして得て、コンピューター処理し三次元データを取得することになります。

装置の原理

①X線の発生
上記で(X線について)説明しています。

②X線の検出
被写体の内部を減弱しながら透過したX線は、被写体を挟んだ形の正対位置に装備された検出器によって捉えます。CTスキャナはフォトダイオード(半導体素子)で構成される検出器が使用されています。1度の撮影で数百~数千枚を取得することになるため、メガピクセルサイズの高解像度デジタルデータを高速に取得し読みだす必要があります。

フォトダイオードを集めたCCD/CMOSイメージセンサーが使われますが、このセンサーは可視光、赤外線・紫外線に加え10ke以下の検出が可能ですが、X線を検出することには適していません。そこで、X線を微弱な蛍光に変換するシンチレータを介することで検出を可能にしています。

このようにCMOSイメージセンサーとシンチレータが組み合わせた検出器を、「フラットパネル」といいます。その特徴は、感度や解像度・広いダイナミックレンジ・フレームレートが高いことから、歪みのない画像を得ることができます。

③画像の再構成
管球から照射されたX線は、検出器との間にある被写体によって減退します。そのため検出器のある点に到達する量は投影に比例し、この値は経路上における透過率の合計になるため任意点での透過率を求めることができません。

しかし、二次元空間で任意点を通過する全ての投影の値を取得することができれば、透過率を求める事ができます。CT装置では360度の回転でこの問題をクリアし、全域方向からの透過像を取得することで、三次元のデータを構成するのです。

まとめ

CT装置の原理についてご紹介してきました。X線を使用することでは同じですが、回転させることでより細かなデータを取得することがお分かり頂けたと思います。現在では、マルチスライスCTと呼ばれる多断面を得られるものが主流となっており、以前と比べて時間もかなり短縮されたようです。

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