アネロイド血圧計の部位の名称
コンパクトで持ち運びのしやすいアネロイド血圧計が昨今、医療の現場で重宝されています。水銀を使わないことで、安全面にも優れた、アネロイド血圧計の部位の名称や、取扱い方法について確認しておきましょう。
水銀血圧計とアネロイド血圧計の違い
水銀血圧計に比べ小型であることから、持ち運びがしやすく、救急現場でも使いやすくなっています。
そもそも、水銀血圧計には、水銀という有害物質が使用されていることから、救急現場などで破壊されると、水銀が飛び散り、患者にかかる恐れがあるので、使用するリスクも高くなります。
水銀は時間とともに気体になります。水銀を含んだ空気を吸い込むことで、呼吸困難や痙攣、頭痛などの中毒症が出ることもあります。そのため、中長期的に水銀血圧計を減らしていくようWHOは勧告しています。
アネロイド血圧計は、水銀などの液体を使用していないことから、救急対応で患者が動いている状態でも、壊される心配をすることもなく、血圧を安全に測定することができます。
アネロイド血圧計の部位の名称
アネロイド血圧計は大きく6つの部位から構成されています。
〇メーター:メーターは血圧を表示するインジケーターの役割をします。メーターは丸型でメモリと指針のついているものが一般的ですが、デジタル表記のものあります。
〇腕帯(マジックカフ):測定者の腕に腕帯を巻いて測定をおこないます。腕帯は、加圧状態にしたまま長時間放置しないことが注意点となります。
〇送気球:血圧を測定する際には、送気球を使って予想最高血圧値より少し高めに加圧をし、血管音の聞こえ始めと聞こえ終えた時点の測定により、血圧値の計測ができます。
〇バルブ:腕帯を巻き、送気球を使って加圧する前に、バルブを使って締めます。また、圧を加えてある程度のところで、今度はバルブを緩め、血管音の測定に入ります。
〇送気球カバー:送気球を覆うナイロン製のカバーです。汚れた場合は、中性洗剤で洗うことも可能です。
〇チューブ:メーターと送気球をつなぐチューブになります。測定の際には、チューブ部分に空気漏れがないか、また、異物がつまっていないかなど確認して使用することが大切です。
使用方法
〇使用前
全ての部品が確実に、適切に接続されていることを確認する。
〇使用方法
1) カフ下端がひじ上2~3cmのところにくるよう、上腕に置く。
2) 直接上腕動脈上となるようにカフを巻く。この際、カフは心臓と同じ高さに巻く。
3) リリースバルブを回して、完全に閉め空気が漏れないようにする。
4) 送気球を使って予想される収縮期血圧の20~30mm高めの値まで圧を加える。
5) 聴診器を装着し、カフ下、上腕動脈上にチェストピースを置く。血管音が聞こえた場合、カフを更に20mmHgほど加圧する。
6) リリースバルブを回し、毎秒2~3mmHgバルブをリリースする。コロトコフ音の聞こえ始めた時点の最高血圧値と聞こえ終えた時点の最低血圧値を記録する。
〇使用後
必ずカフ内の空気を完全に抜く。
まとめ
今回は、アネロイド血圧計についてご紹介しました。すでに使用されている方もいらっしゃるとは思われますが、血圧測定は診断をおこなう上で重要な健診となりますので、正確な数値が求められることになります。