心電図における期外収縮と三段脈の関係性
心電図における三段脈は、通常の脈よりも3回に1度の割合で期外収縮を繰り返す状態です。これらから、心臓の異常や病気を疑う場合には、期外収縮についての仕組みを理解する必要があります。こちらでは、心電図における期外収縮を表す場合の波形と関係性について探ってみましょう。
期外収縮とは
心臓の収縮を行っているのが、心臓の発電所としての役割を担う洞結節です。そこから発する電気信号によって、心筋が反応を起こして活動しています。しかし期外収縮の場合には、洞結節以外の部位から電気的興奮が発生する事で、通常の脈に比べると早いタイミングで心臓の収縮を起こすようになります。
その電気の発生する場所によって、心房の部分から発生した場合を「上室性期外収縮」と呼び、心室の部分から発生した場合には「心室性期外収縮」としています。
病気に関係ない場合でも、年齢や体質に応じて、また体調の変化によって、期外収縮が現れます。
1.上室性期外収縮について
心臓を上下左右に分けた場合の上の部分を、左右の心房で形成されています。心房の部分から電気信号の発生する現象によって収縮が起こる場合を、上室性期外収縮として呼びます。
通常の脈よりも早く出現しており、心電図の波形の形は、その前の波形と比べてほぼ同じ波形になります。連発で起こる場合は、心房細動からくる不安定なリズムの電気活動から、めまいや動悸につながり脳梗塞のリスクが高くなります。
2.心室性期外収縮の場合
心臓の下側の部分に、左右の心室があります。心室の部分から発する電気信号によって収縮する場合を、心室性期外収縮として呼び、通常の脈よりも早く出現しており、心電図の波形の形はその前の波形と異なっているのです。
心筋の異常が原因で起きている場合には、心筋梗塞の疑いなどの危険な状態に注意しなければなりません。
二段脈と三段脈の波形の見方
連続して起こる期外収縮の場合を連発として捉え、3連発以上続く場合を、ショートランと捉えます。洞調律と期外収縮が交互に出現する場合に、2つの周期から二段脈と呼んでおり、洞調律2連続の後に期外収縮となる波形のサイクルを繰り返す状態を、3つの周期から三段脈としています。
上室性期外収縮の対応としては、健康な状態でも出現するので、健康体でも24時間の心電図には、連発や段脈を見る事ができます。治療の対象になりませんが、症状が強い場合においては、薬剤を使用して、期外収縮を抑制する場合があります。
心房筋がふるえる場合の、痙攣がある心房細動の場合には、血栓予防を含めた対応が必要です。他にも、上室性期外収縮を抑える場合の方法としては、抗不整脈薬による使用で抑える事で処置を行っています。
心室性期外収縮に対する波形の出現では、通常の収縮と期外収縮の場合を、二段脈と呼び、通常の収縮を繰り返す場合の、期外収縮が1回ある場合に、三段脈と呼んでいます。短い連結期が示す波形に対しては、R on T型として表現しています。
先行するT波に覆いかぶさる様な期外収縮では、心室細動による不規則なリズムや心室頻拍脈の場合の脈が速くなる状態になると、危険な状態が心配されます。心筋梗塞の場合の二段脈が出現する状況では、リスクが高くなりやすいです。
まとめ
二段脈と三段脈は、電気信号の発生場所から出現する期外収縮を示すものであり、上室性期外収縮の場合の異常や、心室性期外収縮における異常を疑うものです。健康な状態でも出現する可能性があるものの心臓の異常に見極める判断材料としています。