医療分野で用いられるファイバースコープや内視鏡の種類を解説

診断用機器

ファイバースコープとは、数千本以上の柔軟性のある光ファイバーを束にして、一方の先端にレンズ、もう一方にはアイピース(焦点を合わせるために接眼レンズを取り付ける接合部)を付けた機器です。


レンズから取り入れた画像情報を、その管を通して反対側から見ることができるため肉眼で直にみることができない物体の内部を見る場合において管を挿入することにより内部をみることが可能です。
ファイバースコープはしなやかに曲げることができるため、目標物の内部が歪(いびつ)であっても管を挿入することができます。
用途によっては光源装置や操作レバー、採取器などが先端に付属しており目的を遂行することができます。
ファイバースコープは災害救助用のスコープ、コンピュータ内部の調査、パイプ管の検査、機械の修理や加工、宇宙事業までさまざま分野で活用されています。
医療の分野においては内視鏡検査でこのファイバースコープが利用されています。

 

○医療における内視鏡の種類

内視鏡とは、人体の内部を検査・医療処置をするために体内へ挿入する機器のことです。ファイバースコープをはじめとする軟性内視鏡は、内視鏡検査においてよく用いられる機器ですが、硬性内視鏡やカプセルも内視鏡に含まれます。

 

●軟性内視鏡(ファイバースコープ、電子スコープ)

従来は光ファイバーを使用したファイバースコープが主流でしたが、現在はCCD(超小型撮像素子)を内蔵した電子スコープ(ビデオスコープ)が普及しています。
画像を得るという役割の他にも用途によって液体や気体の注入や吸引、薬剤の噴出などの処置も行う機能を付属することも可能です。
気管支や消化器(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)の検査で用いられます。

●硬性内視鏡

両側にレンズがついたやや太い筒状のシンプルな機器です。腹部に小さな穴を開けて手術などを行う腹腔鏡が代表的な硬性内視鏡ですが、胆嚢や前立腺、腎臓などの摘出手術にも使用されます。
開腹手術に比べて身体への負担が少ないことが特徴です。
細い硬性内視鏡は耳鼻科での鼓膜や鼻腔の診察にも用いられます。

 

●カプセル

カプセル内視鏡と呼ばれており、大腸がんの検査によく用いられます。
カプセルの中にはカメラ、光源装置、バッテリーが内蔵されており、1秒間に数十枚もの撮影をすることも可能で、転送装置にて画像を受信機へ転送して観察・診断を行います。
身体の侵襲性がほとんどなく、鎮静剤も必要がありません。
軟性内視鏡に抵抗がある方にとっては安心して検査を受けることができるため、注目を集めている内視鏡検査です。

ピックアップ記事

関連記事一覧